【ビジネスで使うのは要注意! to table】
ある日の会議のときのことです。上司が発した、
“We can table this for now.”
という言葉を聞いて、不思議な気持ちになりました。
「table」=名詞の「机」が浮かび、「机を動詞にするの?」と
頭の中に疑問符が浮かんだのです。
その後、to table = 議題として提出する、議論に出すという
イギリス英語で用いられる、議会用語を思い出しました。
- 例文
“I would like to table this proposal.”
(この提案を議題として提出したいと思います。)
ですが話の前後の流れから、
上司は、We can table this for now.というフレーズを
「議題に上げる」「議論に出す」という意味では使っていない様子。
そこで、調べてみたところ、
tableという言葉はアメリカ英語を中心としたビジネスシーンでも、
よく使われている表現だと分かりました。
ただし、イギリス英語とは違い、
- to table = いったん保留にする、後回しにする
という意味で用いられるとのこと。
今回の “We can table this for now.”は
「この件はいったん保留にしましょう」「今は議論をやめて、後でまた考えよう」という
全く逆のニュアンスになります。
to tableという言葉は、
- イギリス英語では「議題に上げる」、
- アメリカ英語では「保留にする」という、
まったく逆の意味になってしまうんですね。
誤解を生みやすい言葉のため、
国際的な会議で「to table」を使うのは、できるだけ避けた方が良いそうです。
現代のビジネス用語では、意味をはっきりさせる表現が好まれています。
「議論に出す」と伝えたい場合はsurfaceやproposeを選んでみてください。
例文
“I want to surface this concern.”
(この懸念を共有したいです。)
“I propose this as a discussion item.”
(これを議論のテーマとして提案します。)
「保留にする」「後回しにする」という表現は
「put this on hold」「park this」「revisit later」を選ぶと安全です。
例文
- “Let’s put this on hold for now.”
(これはいったん保留にしましょう。) - “We can park this and come back later.”
(これはいったん置いて、後で戻りましょう。) - “We can revisit this later.”
(後で改めて検討しましょう。)
「to table」は便利な言葉ですが、文化や言語背景によって意味が逆になってしまう、
危険な表現でもあります。私が上司の言葉を聞いて戸惑ったのも、
イギリス英語の意味しか知らなかったのが原因でした。
英語は「単語が持つ意味」だけでなく
「どの文化圏で、どの場面で使われているか」によって
意味が変わってしまうケースが少なくありません。
だからこそ、ビジネスの場では
・意味が一意に伝わる言葉を選ぶ
・誤解の余地がある表現は避ける
という姿勢が大切です。
“to table” という言葉との出会いで芽生えた「
机を動詞にするなんて面白いな」という違和感。
そして、イギリス英語・アメリカ英語の違いを知ることになった今回の件。
思ったよりもイギリス英語の影響があるアジア対象に仕事をしている私は
へんに自分が習って親しみがあるアメリカ英語と
仕事を通して馴染んだイギリス英語がごちゃ混ぜになっています。
注意しないといけないなぁと思いました。


