No worries – 別にいいよ!

例文・トピックス

オフィスにオーストラリア人のメンバーがいるのですが、
彼女に仕事を依頼したり、問い合わせをしたりすると、
かなりの頻度でNo worriesという答えが返ってきます。

この返事にずっと、小さな違和感がありました。

意味はもちろん分かります。
「大丈夫だよ」「問題ないよ」「気にしないで」というニュアンスで、
私へプレッシャーをかけないように配慮された、軽やかかつ親切な言い回しなのですが……。

それなのに、ちょっとした依頼をするたびに No worries と言われると、

「え、私がすごく心配しているように思われたのかな?」
「恐縮しながら、お願いしているように受け取られたのかな?」
「心配ご無用!…ってわけじゃないよなぁ」

そんな風に感じてしまい、私の中の日本語脳が一瞬止まってしまうのです。

例えば Can you check this? と聞いた時の返事が
No problem. であれば「問題ありません」「対応できます」という意味で、自然に受け取れます。

これが No worries. になると「心配しなくていいよ」「気にしないで」というイメージになるため、
私の感情をなだめる印象に聞こえてしまうのです。

英語、とくにオーストラリアの会話では、No worries の活用法が幅広いそうです。
相手の依頼を受ける時、軽い謝罪を受ける時などに、
場をやわらかくする潤滑油のように使われているとか。

だから依頼の際も、責任や負担、迷惑といった話ではなく
「大丈夫、大丈夫」という空気を作ってから受け止めるんですね。
彼女にとっての No worries は、責任逃れではなく、その場の重さ逃れなのかもしれません。

日本語のビジネス文脈では、依頼と謝罪の間にはっきりと区切りがあります。
依頼する側は「お願いします」「可能でしょうか」と言い、
受ける側は「承知しました」「問題ありません」と返します。

私は日本人のため、依頼にたいして突然「気にしないで」と言われると、
そこで文脈がずれてしまい
「謝っているわけではないのに、なぜ許されているのだろう」という感覚になってしまうみたいです。

No worries の使い方を知った現在でも、少し引っかかりを覚えたり、
深く考えてしまったりするのは、日本語的な感覚だなあと思います。

No worries の直訳は「心配しないで」ですが、
実際は「それくらい全然大丈夫だよ」という空気も一緒に運んでいます。

使われる場所によって、翻訳だけでは理解できないニュアンスが生まれたり、
意味が変わったりする……そう考えると、
あの少し気の抜けたような返事も悪くありません。

そして No worries と言われるたびに、今でも立ち止まってしまう私も
それはそれで No worries なのかもしれない、と感じました。

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