【guilty pleasure~ついやってしまう中毒性のある個人的趣味~】
私が今働いている部署は、9割を女性が占めています。
だから……というわけではないのですが、会議などの際に、
別の方向へ話が流れていき、盛り上がることがあります。
先日、Zoom会議の冒頭で、“guilty pleasure” というお題が出てきました。
直訳すると「罪悪感のある楽しみ」ですが
実際は「ついやってしまう、中毒性のある個人的な趣味」といったニュアンスです。
こういう話題は、国を問わず興味をそそるもので、
普段の会議ではまず出てこない女子トークへ会話の舵が切られました。
話題に出てきたのは「Instagram Reel」「True Crime Story」「Broccoli Guy」など。
話題が全く想像できません。
Instagramの短い動画が好き。
実際の犯罪事件を扱った本や番組が好き。
さらには、ブロッコリーを振って応援する人のミームが好き、
といったものまで、さまざまな意見が飛び交います。
こうなると当然、私にも guilty pleasure を話す順番が回ってきます。
私自身については、、、
最初に浮かんだのは Solitaire(ソリティア)でした。
あの、何の生産性もないのに、気づくと時間が溶けている、
謎の中毒性を持つ一人用カードゲームです。
そしてもう一つ浮かんだのが
「なろう系小説サイトで、どうでもいい異世界転生ものを読む」だったのですが……
これ、英語での表現がちょっと分からないですよね。
本格的なファンタジー文学ではなく、
しかし魔法や剣があり、主人公は転生してなぜか強くなっていく。
それも、プロ作家の作品ではなく、
アマチュア作家がWebに投稿しているライトな読み物というジャンル。
仕方がないので、そのまま説明したところ
「英語圏にも似た世界がある」と教えてもらいました。
海外ではこのような小説のことを
「Wattpad」「Royal Road」「web fiction」「progression fantasy」「LitRPG」
といった言葉で呼ぶそうです。
Wattpad や Royal Road は小説投稿サイトに近いイメージで、
web fiction はWeb小説全般。
Progression fantasy は、主人公が成長し、強くなっていく過程が中心のファンタジー作品。
LitRPG はprogression fantasyに、レベルやスキル、ステータスといった
ゲーム要素が入るものだそうです。
日本の「なろう系」と完全に同じではないものの、
英語圏にもかなり近い読書文化があるのだと知り驚きました。
さらに面白かったのが、ここまでくわしく説明してくれた理由です。
実は、とある幹部の方が、似たような創作ファンタジーを好んでいるとのこと。
それを知っていた参加者が
「これはファンタジーといっても、いわゆる本格ファンタジーではなくて……」と
一生懸命説明する私へ
「そのジャンルの小説、実は〇〇さんも好きで読んでいるのよ」と教えてくれたのをきっかけに、
表現の仕方を共有してくれました。
会議冒頭のちょっとした会話。
一見するとくだらない雑談ですが、このような機会にはじめて知る相手の一面があります。
Guilty pleasure という言葉は少しだけ、自分の隙を見せる言葉なのかも、と思いました。
立派な趣味ではないし、誇れる習慣でもない。
けれど、こんな小さな無駄こそが人間味であり、人を柔らかい印象にしているのかもしれません。
私にとっても、ささいな趣味が実は幹部の方と一緒だと知り、ほっこりする時間になりました。


