一文字で大違い

例文・トピックス

英語には、一文字違うだけで意味が大きく変わる言葉があります。

たとえば、complementary と complimentary。
 Complementary は「互いを補い合う」という意味で、

Two things are complementary when they enhance or emphasize the qualities of each other. 

といった風に使います。
この例では、二つのものが一緒になるとお互いの良さが引き立つ、という意味になります。

 一方で complimentary は少し違います。

Something complimentary is something that’s free.

これは「無料の」という意味合いで、
ホテルの complimentary breakfast と表した場合は、無料の朝食を表します。

他にも a person being complimentary is a person that’s being praising or approving of something. という使い方もあります。
このように、人にたいして使う場合は「褒めている」「好意的に評価している」という意味に変わります。

もう一つ、affect と effect も、ややこしいと感じる言葉です。

Affect はおもに動詞として使われ「影響する」という意味になります。

This change may affect our schedule.
「この変更は私たちの予定に影響するかもしれない」

一方の Effect はだいたい名詞で「影響」「効果」という意味になります。

This change may have an effect on our schedule.
「この変更は私たちの予定に影響を与えるかもしれない」

意味はほとんど同じなのに、
動詞なのか名詞なのかで、文章の中での役割が大きく変わります。

たった一文字違うだけ。
それなのに、意味や役割がまったく変わってしまうのは、
英語表現の怖さであり、面白みだと感じます。

こんなことを考えていたら、
日本語の「やむをえない」と「やんごとない」という表現を思い出しました。

「やむをえない」は、英語にするなら
unavoidable や inevitable に近い言葉です。
「避けられない」「仕方がない」という意味で使われます。 

一方で「やんごとない」は noble や distinguished でしょうか。
日本語の音は似ていますが「身分が高い」「高貴である」というニュアンスがあり、
昔の貴族や皇族のような、格の高い響きがあります。

そういえば以前、会議を欠席するたびに「やんごとない理由があって欠席します」と連絡してくる方がいました。おそらく本人は「やむをえない理由」と言いたかったのだと思います。

 本人へ指摘するほどのことではありませんので、やんごとない欠席連絡はその後も続き、そのたびに、

「高貴なご事情で会議をお休みなのかしら?」
「平安貴族としてのおつとめ?」
「それとも牛車の手配が間に合わなかったのかしら?」

そんな想像をして楽しんでいた私です。

Complementary と complimentary。
Affect と effect。
やむをえない と やんごとない。

どれも意味は伝わりますし、業務に支障がでるわけではありませんが、一文字、あるいは一音違うだけで、急に世界観が変わるのが面白いですよね。

小さな言葉のズレに気づいて、少し首をかしげたり、くすっと笑ったり。そんなささいな時間が、言葉を使う面白さだなって思います。

タイトルとURLをコピーしました