海外にいるリモート上司への報告

考察

「報告、連絡、相談」のいわゆる”報連相”(ほうれんそう)は、日本だけではなく、海外においても重視されています。しかし、日本の企業とは違い、毎日のように上司と顔を合わせるわけではありません。

 リモートやメールでのやり取りがメインで顔を合わせることが少ない海外の上司の場合、その意味や方法が大きく変わってきます。”報連相”は、業務の進捗状況のみを報告するのでは足りません。外資系の職務では、”仕事をするのは当たり前であり、その仕事の質を高めるのも当然”だからです。仕事をしない、良い仕事をしていないのは、PIP(パフォーマンス・レビュー)の対象となりますし、最悪の場合、クビになってもおかしくないケースです。言われたことをこなしているのにクビになってしまったとしたら、たまったもんじゃありませんよね?その仕事を続けるには、仕事を全うすること、また質の良い仕事をするのが必須となるわけです。

したがって、外資系の職務では、報連相を行うにあたって期待以上の成果をあげているかを上司に理解してもらうのが大切です。

◎報連相に大切な3つのポイント

  • ①定期的に報告を行う
  • ②自発的に報告を行う
  • ③成果を報告する
①定期的に報告を行う

部下が働いているという事実を上司が管理するのは、日本の文化です。

外資系においての上司は”管理する”を目的にしていません。そのため、定期的な報告が”毎日”である必要はありません。働いているという事実は報告するまでもない当然のことです。成果は出てきて当然で、成果が見えなければ報告があろうとなかろうと、結果次第なので報告をすれば、がんばればいいわけでもありません。ですので、成果・結果以前の「頑張り」を見せなければいけない、または、自分で自分を律することができず上司に管理されなくてはならない状況は、外資系に不向きといえます。

では、管理ではなくて何のために報告をするのでしょうか?
定期的に報告するという目的は「上司が進捗具合を催促、確認しなくても大丈夫」と思ってもらうためです。その観点で、定期的に報告を行いましょう。

②自発的に報告を行う

必要以上に報告する必要はありませんが、「任せていても大丈夫」と思われるために、自発的に報告することが必要です。上司からすると、進捗状況を聞かないといけない状況というのは面倒です。上司に面倒をかけず、必要な時に必要な内容が自然に報告できて状況をつくりましょう。そうすれば、上司からしても「任せていても大丈夫」となるはずです。

催促や確認される前に報告していれば、自分のペースや目論見通りに報告することができます。
定期的に報告を行っていれば、成果や進捗状況を正しく伝えることができます。また、そこを第一目標とすることができます。例え予想外の方向転換が必要になったとしても、成果や進捗を認識してもらっているので、要求の変更、方針の転換、追加の対応がしやすい状況をつくれます。

上司に成果を認識できないまま、言われるがままになってしまうと、自分の仕事の質の高さを理解してもらうことができなくなってしまうと思いませんか?

さらに、中間報告をすることをおすすめします。
作業が完了してから報告するのでは、作業スピードや期待値の修正ができません。途中修正が入るのを拒み、完了まで報告しない人もいます。しかしそれでは、結果的に上司の意図しない、期待に沿わない結果が出ることもあるため、評価に繋がりません。中間報告をし、上司の期待値の設定をコントロールする必要があります。

③成果を報告する

成果を報告するというのは、作業の終わりを意味するものではありません。完了した結果の効果や成果について報告する必要があるのです。仕事においては、その仕事を完遂することだけではなく、改善・改良・効果を期待されています。数値の上で向上や改善を示せればベストですが、それが出来なくともそれに代わる何かを見せる必要があります。

「報告、連絡、相談」というと簡単なようですが、深く突き詰めると非常に難しく留意すべきところです。上司、部下のそれぞれの期待値が違うことを意識して対応していきましょう。

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