仕事をしている時、上司から、
- 「Let’s zero in on this topic for a while.」
- (しばらくの間、この話題に集中しよう)
と声をかけられました。
この「zero in on(ゼロインオン)」は元々、軍事用語が由来のフレーズです。
軍事の場面では、目標の照準を「ゼロ誤差」に合わせる、
正確に狙いを定める、という意味で使用されます。
ビジネスの場面で、「この件をゼロ誤差で」と言われてしまうと、
達成するのは難しい話になってしまいますが、
日常英語ではもう少し柔らかく
「特定の対象に意識や注意を集中させる = Focus」に近いニュアンスで使われています。
この「集中しよう」には他にも言い方があります。
先ほど触れたFocusを使った、「Focus on」は、中立的な表現で耳にするフレーズです。
- 例文: Let’s focus on key priorities.
- 意味: 「重要な優先事項に集中しよう」
より日本語に近い約にするなら、
「〜に焦点を当てる」「〜に集中する」という感じで活用できます。
よりビジネス用語的に表現したい場合は、「Drill down into」を用いてみてください。
- 例文: Let’s drill down into the numbers by region.
- 意味: 「地域別の数字を詳しく掘り下げよう」
これは、ビジネス分析やデータ解釈の場面などで、広く使われている表現です。
「より詳細に掘り下げる」という意味を持つドリルダウンは、
ExcelやBIツールの機能名としてもよく見かけます。
集計データしたデータを、より詳細なデータに掘り下げる、
という「Drill Down」という操作、普段の仕事で触れている方もいると思います。
もっと視覚的に、カジュアルに表すなら「Zoom in on」を使ってみてください。
- 例文: Can we zoom in on this section of the report?
- 意味: 「このレポートの部分に注目してもらえますか?」
Zoomという言葉通り、視覚的に目的へ“ズームする”感覚が伝わります。
日常会話で資料などを見て欲しい場合など、カジュアルかつ親しみやすい雰囲気で会話できます。
ビジネスで使われる英語は、接する人の好みによっても実は変わります。
私の場合、前の上司は、野球英語が多かったのですが、
今の上司はミリタリー用語が多め、という傾向があります。
今の上司がミリタリー用語を使う背景に、
政治的な何かがある、という訳では決してないのですが、
性格は関係しているのかな、と推察しています。
たとえ無意識であっても、言葉の選び方が、
その人の「思考の型(メンタルモデル)」を反映しているケース、結構ありますよね。
日本でも、野球に例える人、ゲームに例える人、ことわざで例える人など、
趣味や育ち方、考え方によってさまざまです。
軍事的な表現をよく使う今の上司は、戦略的・構造的な思考を好むタイプです。
ビジネスでは、結果を重視する“即実行型”の傾向があり、
いかにも経理・戦略室の人だなぁという感じです。
一方で、野球にまつわる表現をよく使っていた前の上司は、
ベースボール精神と同じで、チームプレーを重視し、不確実性への対応を重視していました。
彼の前職が営業だった点を考えると、
経験してきた職種や業種も、言葉選びに影響を与えていそうです。