【部署によって変わる「想定外の出来事」への一言】
ビジネスには、想定外の出来事がつきものです。
また、想定外の問題やトラブルが起きた場合、
自分がいる場所が経理なのか営業なのか、担当している部署によって、
使う言葉や反応の仕方が大きく変わります。
経理の仕事は、事前に想定や準備をした上で、
ルール通りに進めていくのが仕事です。
一方で営業は、どう反応するのか分からない顧客向けに戦略を練って、
主導権を握り、商談を進める仕事です。
数字や帳簿を厳密に管理する経理の場合、想定外は大きなリスクです。
実際に、経理の上司はよく、
「That threw me off.(調子を狂わされた)」
というフレーズを使っています。
予定外の事由は、まさに「調子を崩す」体験なのだと思います。
ですが場所が変わって、営業職になると「想定外」は日常茶飯事です。
- 商談の日程が急に変わる
- 決裁者が突然交代になる
- 思いもよらない値引きの提示
など、想定外が当たり前の毎日のため「予想外(unexpected)」という言葉は口にしても
「驚いた(surprised)」「off guard(油断して不意を突かれた)」といった受け身の言葉は
あまり聞かれません。
営業は、つねに場をコントロールする姿勢が求められます。
だからこそ、隙はみせずに「想定外だったけれど対応できた」という
トーンが残るフレーズを選ぶのでしょうね。
英語表現を並べてみると、より違いが分かりやすくなります。
- 「threw me off」
経理で使われやすい「調子を狂わされた」に近い言葉です。
完全にリズムが崩された印象が伝わります。 - 「caught me off guard」
「不意を突かれた」ときに使う表現です。経理部門では、細部まで予測し尽くす前提があるため、予想が外れたときの驚きが理解できます。
弱さを見せる表現のため、信頼を失いたくない営業職では、使われない言葉の一つです。 - 「unexpected」・「taken aback」
これらは逆に、営業でよく選ばれる表現です。言葉のあとに「でも対応できた」とすぐに立て直せた様子を添えて、使用されるケースが多い印象です。
考えてみると、日本の営業さんも
「面食らった」「度肝を抜かれた」「腰を抜かした」といった受け身の言葉はあまり使いません、
営業現場では「ちょっと意外だったけれど対処できた」
と言い換えるのが、国を問わず自然なようです。
深読みかもしれませんが、単なる言葉の選び方ではなく、
営業文化そのものがフレーズに表されているなあと感じました。