ビジネスをしていると、明らかに上司が間違っている、という場面に出くわすことがあります。
「間違っているけれど、上司だからどうしたものか」
そう頭を悩ませた経験を持つ方も、多いのではないでしょうか?
そんなある日、上司が間違っていても、
「あなたは正しい!」
と回答する人に出会いました。
一見何を考えているのか、よく分からない言動です。
ところが、
その後に言葉を聞いて、
実は配慮や工夫が含まれている事実に気付きました。
心から感心した、その方の上司あしらいをここで紹介したいと思います。
・「あなたは正しい」からはじまる事実の伝え方
上司が間違っていたとしても、その人はこんな言葉を使います。
- You are 100% correct.(あなたは100%あっています)
- Yes I agree.(はい、合意です)
- Sure!(ぜひ!)
どれも間違いにたいして使うイメージがない、相手に同意する言葉ばかり。
ところが、
この言葉を上手に活用すると、意外な効果が得られるのです。
仮に、会議の開始時間が14時であるのに、
上司が15時だと勘違いしているとします。
この時、
「No, the correct start date is 3:00 o’clock, not 2:00」
と訂正したくなる方が多いはずです。
ですが
その人はまったく逆。
いきなり「あなたは合っている」からはじめました。
その後、
Yes you are correct. The start date is 3:00 clock.
または、
Yes you are correct. The start date 2:00 is a typo and it is 3:00.
と付け加えるのです。
この書き方であれば上司へ、
「正しいのは15時」
という情報が伝わります。
さらに、上司からすれば部下にたいして、
「間違いを指摘しないで、カバーしてくれた」
という好印象が残ります。
間違いをわざわざ指摘してしまうと、
上司から疎まれてしまいます。
正しい情報が共有できることが目的であり、
相手・上司が正しかろうと間違っていようと関係ないのです。
トラブルを回避するためにも、
“あなたは正しい”と認めた上で、
さりげなく間違いを修正してみてください。
それだけで、上司はメンツを保てます。
英語を使っていると、言葉が持つ意味の方に、つい気が回りがちです。
その結果、相手が言っていることが正しいかどうか、という点ばかりを気にしてしまいます。
ですが、
最終的に正しい情報が伝われば、誰が間違っているのか、という部分は大きな意味を持ちません。
これは、日本語でも使えるテクニックです。
これからはぜひ、
「Yes you are right!あなたは正しいです」
と言ってから、ちょっとした間違いをさらりと修正してみてください。
思いやりある間違いの指摘ができれば、周囲からの評価がどんどん上がっていくはずです。
自分と相手、どちらが正しいのか。
という点ではなく、
正しい情報に焦点を合わせて会話を進めていく、
賢い工夫を目にしたできごとでした。