会議の終わりやメールの終わりに、
「よろしくお願いいたします」
という言葉を使っていませんか?
この「よろしくお願いします」という言葉。
意図を読んで訳す必要があり、職場で通訳する場合も、どうするか悩む言葉の一つです。
「よろしくお願いします」と似た使われ方をする語句に”Thanks in advance”というフレーズがあります。
使用例の一部をみてみましょう。
- Thank you always for your kind support.(直訳:常日頃のご尽力に感謝します。)
- Thank you in advance for your understanding.(直訳:ご理解感謝します。)
”Thanks in advance”の使い方は、ネイティブの間でも意見が分かれます。
賛成派
「全く問題ない」
「実際の行動が前提なので、結果的に返答・対応してもらう確率が高い。
だから戦略的に有意義」
反対派
「支援前提での御礼は押し付けがましい」
「相手に選択肢を与えないのは失礼だ」
など、ちょっと話題を振ってみただけで、さまざまな意見が返ってきます。
誤解を招かず、相手から好感を持たれる文章にするなら、これから紹介する3つの使い分けが有効です。
(1) シンプルに“Thanks”
文章に”In advance”をつけなくても、まったく問題ありません。
感謝のみを示しているので、勘違いなどトラブルを未然に防げます。
事前の期待値やプレッシャーを減らせるため、受けとった側の気持ちも楽になります。
(2)どうして欲しいのか明確に書く(ただし疑問形で)
相手からの返事が欲しい場合。
返事を頂きたい、と直接書いても大丈夫です。
この時、命令形・断定形(Please reply/I need your reply、など)ではなく、
疑問形で書くのがコツです。
例: Do you think you’d have time to reply back within this week?
Thanks is advanceは、その後の行動を織り込んだ会話になってしまいます。
そのため、相手側の選択肢がありません。
疑問形であれば、「期待値」ではなく「選択肢」を提供できますので、ぜひ活用してみてください。
(3) 相手が期待に応えてくれそうな場合はズバリ書く
相手へお願いしたいことが、そこまで大変でない場合。
(2)の文章では場違いですし、(1) ではそっけなさを感じます。
このようなケースは、具体的に書いてしまいましょう。
- Thank you for your help. I am looking forward to your reply.
- Appreciate your help with your quick reply
ただし、これは相手が期待に応えてくれる。
その可能性が、確実にある場合にのみ使える文章です。
状況によっては、横柄に聞こえてしまいます。
利用シーンと相手をよく考えて、正しい文章を選びましょう。