ちょっとした雑談をしていたとき、「Sunday Scaries」という言葉が出てきました。
直訳すると「日曜日の恐怖」になるため、
意味を知らないと「日曜日にどんな怖いことが起きるのだろう」と想像してしまうかもしれません。
ですがこの時は、会話の流れを考えると、
日本でいうところの「サザエさん症候群」という意味なのだろうなと受け取りました。
そこで調べてみたところ、
Sunday Scariesは英語圏でよく使われる口語表現で、
予想通り、「日曜の夕方になると、翌日の仕事や学校のことを考えて憂うつになる気持ち」
を指すそうです。
会話の中では、「Ugh, I’ve got the Sunday Scaries again.」といった使い方がされるため、
「ああ、また日曜夜のあの憂うつがきた」そんな風に伝えたいんだな、とピンときました。
追い詰められた状態、真剣に不安を感じている状態、
というよりはもっと冗談に近い感じですね。
Sunday Scariesは、明日が嫌だと感じる心理状態を、
上手く表現していると感じました。
日本人が罹患しやすいのは「サザエさん症候群」ですが、
これは日曜夕方にアニメ『サザエさん』が放送されると、
「ああ、もうすぐ休みが終わる」「明日からまた仕事(学校)だ……」という現実感が、
嫌でも押し寄せてくる様子を指します。
Sunday Scariesと大きく違うのは、
社会人だけでなく子どもから大人まで、老若男女問わず同じ心理状態になる点です。
サザエさんはアニメがスタートした1969年から現在まで、
日曜の夕方に放映されてきました。
昔は18:00~、現在は18:30~というちょっとした差はありますが、
日曜の夕方はサザエさん、そんな「文化的アイコン」として、私たちの心に強く定着しています。
サザエさんは音楽もずっと変わることなく、
同じ曜日の同じ時間帯に放送され続けています。
そんな当たり前の日常だからこそ、
サザエさんの次の日は月曜日、仕事や学校がつらい、というメンタルも、
毎週おなじみの通常営業で湧き出てしまうんでしょうね。
サザエさんの音楽を聴く、アニメを見る=明日は仕方がないから仕事や学校へ行かなければいけない、そんな諦めの気持ちを、日本人すべてが共通認識として、受け入れている気がします。
フランスの場合は、Le cafard du dimanche soir「日曜夜の憂うつ」というフレーズがあり、
ドイツでも、Montagmorgen-Blues「月曜朝のブルー」という似た表現があるそうですが、
サザエさんのような共通文化は世界中でも珍しいのではないでしょうか。
これから先、サザエさんが放送終了する日が来たとしても、
「サザエさん症候群」という言葉は残りそうです。
「なんで、月曜日に学校へ行きたくないとき、サザエさん症候群って言うの?」
「昔そんなアニメがあったらしいよ」そんな会話が、未来の食卓でされているかもしれません。


