Pinch of salt~少し疑って~

例文・トピックス

物事への見解を聞かれたとき、

「あくまでも自分が知っているだけの情報です」
「正しいかどうかは責任を持てません」

そんな言葉を添える場合があります。

私は海外相手にビジネスをしていますが、
周りから日本の歴史や地理について、よく意見を求められます。
このような場合、知っている限りの情報を話したあとで、

Don’t take my word for it. 

私の言葉をそのまま信じないでください。
という言葉を添えています。

私が話した意見や情報について、
Web上の情報や書籍などの資料も参考にしながら判断して欲しい、
という気持ちを込めて、伝える例です。

その他にも、表現する方法はあります。先日会議に参加していたとき、

I am not the SME for this project, but I was involved in this project as a participant,  so please take it with a pinch of salt.

SME = Subject Matter Expert  その話題の専門家・担当者

そんな表現を耳にしました。

「私はそのプロジェクトの担当者ではないけれど、参画していたから、すこし割り引いて考えてね」

というニュアンスになります。

Pinch of saltという言葉は初めて聞きましたが、
少し批判的に捉えておいて欲しい、
少し疑いを持って、懐疑的に考えて、話半分で、
といった英語のイディオム(慣用句)だそうです。

直訳では、「塩をひとつまみ」
料理で味を引き締める時に塩を使うからでしょうか?

また今回は、Pinchという表現でしたが、
本来はPinch ではなくてGrainだそうです。 

Grain of saltは直訳すると一粒の塩、
になりますが、実際はPinch of saltと同じ意味になります。

その他にも、調味料に関連する面白い言葉を、いろいろと耳にしました。

私が職場で聞いた、3つの例を紹介いたします。

(1) “sugar-coating”

● 直訳すると「砂糖でコーティングする」という意味ですが、
イディオムでは「甘く見せる」「現実より良く見せる」という意味になります。

例文 “The report was full of sugar-coating; we need a more realistic assessment.”

● 「その報告書は甘く見せる部分が多すぎる。もっと現実的な評価が必要だ。」

(2) “Spice things up”

● 直訳すると「スパイスで味を良くする」という意味ですが、イディオムでは「物事を面白くする」という意味になります。

例文 “Let’s spice things up in our next meeting with some new ideas.”

● 「次の会議は、新しいアイデアで物事を面白くしよう。」

(3) “Pepper in some humor”

● 直訳すると「ユーモアに胡椒を振りかける」という意味ですが、
イディオムでは、「ユーモアを少し加える」という意味になります。

例文 “It’s important to pepper in some humor during the presentation to keep the audience engaged.”

● 「プレゼンテーション中は、少しユーモアを加えるのが重要で、
聴衆を引き込むのに役立ちます。」

その他にも、営業の職場でこんな言葉がありました。

お客様の提案をおいしくするために「Sugar Coat=Discount」という意味で使うケースです。
例文としては、

I need to sugar coat the deal with a deep discount

おいしい取引をするために、大幅な値引きをしなければいけない。
という言葉が良く聞かれます。

一方で、

Sweetening the deal might make it more palatable, but sometimes the best remedies come with a bitter taste.”

「取引を甘くすれば、おいしい取引になるかもしれないけれど、時に最良の治療法が苦い味になる場合もある」

という言葉の使い方もあります。
件の案件は、美味しい取引になったのか、食べたら苦くなったのか、
その顛末が心配になりました。