now と already

例文・トピックス

いつまでたっても“わかりづらい”now” と “already”

私は長年、英語で仕事をしています。
それでも now や already をどこに入れるのか、という問題は、今でもわかりません。

たとえば Salesforce の Opportunity をクローズして良いか確認したいとき、
伝えたいのは「もうクローズできますよね?」くらいの一言です。

でも、いざ英語にしようとすると、急に手が止まってしまい、
悩んでも悩んでも答えをみつけられず、考え込んでしまうのです。

結局辿り着くのは、こんなメッセージなのですが……。

 ・The opportunity can now be closed./その Opportunity は、これでクローズできます。
・The opportunity can be closed now./その Opportunity は、今クローズできます。

この now を入れる場所は、どちらが最善なのか、答えが分かりません。
どちらでも意味は伝わりますが、まったく同じか? といわれると、
少しニュアンスは違うのです。

can now be closed は「前はできなかったけれど、なんらかの作業などが終わって、クローズできるようになった」というイメージです。

can now be closed は
「前はできなかったけれど、なんらかの作業などが終わって、クローズできるようになった」
というイメージです。

一方の can be closed now は、
もう少し単純に「今クローズして大丈夫です」と返事をするイメージがあります。

ほかにも、使い方が難しい言葉に already があります。

 ・The opportunity can already be closed./その Opportunity は、すでにクローズできます。
・The opportunity can be closed already./その Opportunity は、もうクローズしてもいいです。

こちらも似た意味ですが already を後ろに置くと、
文脈によっては「もう閉じていいのに」というニュアンスが出てきます。

またややこしいことに、英語のフレーズを日本語に訳して考えると、さらに事態が悪化します。

 ・The opportunity can now be closed.

その Opportunity は、これでクローズできます。
その Opportunity は、今はクローズできます。
その Opportunity は、もうクローズできます。

どれも正しい訳文ですが、伝わるイメージは違いますよね。

「これで」と訳すと、直前に何かが終わった感じ、
「今は」と訳すと、以前はだめだったけれど現時点では大丈夫、という雰囲気になります。

「もう」と訳した場合は、待っていた状態からようやく終わったイメージに変わります。

already を訳す場合も同じで、「すでにクローズできます」であれば事務的ですが、
「もうクローズできます」とすると、会話っぽさが生まれます。

「とっくにクローズできます」までいくと「まだやっていないのか」という感じになります。

英語の段階で、単語を置く場所によって意味が変わり、
日本語に訳す場合はさらに複数の選択肢が増えてしまう。
その結果、正解が分からなくなってしまいます。
1対1の受験英語とは違う、生きた言語を使うからこその問題ですね。

今回は「わかりづらい」表現について考察しましたが、
その中でひとつ答えがみつかりました。
それは「わかりづらいのは、しょうがない」ということ。
今後もきっと「わかりづらい」が解消されることはなく、
迷いながら英語を使っていくのだと思います。