fool somebody~リンカーン由来の名言

考察

最近、仕事と向き合う中で、
「結局、誠実にやっていく以外に、近道なんてないよなぁ」
と思う瞬間がありました。

そのきっかけは、あるRVP (Regional Vice President)との会話で出てきた言葉です。

名言として引用されていたフレーズなのですが、皆さんはご存じでしょうか?

  • “You can fool all the people some of the time, and some of the people all the time, but you cannot fool all the people all the time.”
  • 「人を一時的にだますことはできても、ずっとだまし続けることはできない」

この言葉は、アメリカ大統領であるリンカーンが残した名言として、英語圏では広く知られています。


ところが、ちょっと気になって調べてみたところ、
リンカーンが本当にこの言葉を口にしたのかどうか確固たる証拠はない、
という事実を知り驚きました。

このフレーズが記録として残っているのは、
リンカーンが生きている時代ではなく彼の死後。
1880年代の禁酒運動家たちが、演説で使いはじめたのが最初だそうです。

実際にリンカーンが使っていた言葉かどうかは分かりませんが、
違ったとしても誠実な人柄で知られるリンカーンが言いそうなニュアンスです。
リンカーンの言葉だと信じた人によって、あっという間に広まっていったのかもしれませんね。

さて、このフレーズ、こんな風に構造を分けてみると、意味がよりクリアになります。

①“You can fool all the people some of the time”
すべての人を一時的にはだませる。

短期的に何かを偽装したり、取り繕ったりという行為は簡単にできる、という意味になります。

②“and some of the people all the time”
一部の人をずっとだまし続けることもできる。

これは、どんなときでも騙される人はいる、という現実を指しています。

③“but you cannot fool all the people all the time.”
でも、全員をずっとだまし続けることは絶対にできない。

一時的に騙したり、一部の人を騙し続けたりしたとしても、
最後にはかならず嘘や誤魔化しは見抜かれる、という普遍的な真実、結論で締められています。

この文章を読んで改めて、「その場しのぎのテクニックは長続きしない」という
当たり前にあらためて気付き、深く頷いていました。

近年ニュースを見ていると、
楽してお金を稼ごうとして犯罪に巻き込まれる人。
損をしたくない気持ちから、ギスギスした関係性に陥ってしまう人、
そんな話が溢れています。

でも「自分はラッキーだった」と語る成功者の多くは、
その言葉の裏で、誠実に努力を積み重ねているんですよね。

真摯に向き合っているからこそ、
周りからのサポートが得られ、チャンスが与えられた、つかみ取れた、そんな背景があるものです。

「頑張っていれば、いつかは報われる」という希望的な話、漫然とやる話ではなく、
誠実さ、積極さがあってこそ、はじめて結果がついてくるのだと思います。

この考え方、実は私の仕事にも、すごくリンクしています。


とくに感じるのは、セールスオペレーションの業務。
セールスオペレーションは数字やデータを扱う仕事のため、
結果やプロセスを正直に積み上げていく過程が何より大切です。

なんらかのミスが起きたとき、
「データを取り繕う」「説明を後付けして整える」といった一時的な補填はできますが、
一度でも誤魔化してしまったら、いつかかならず矛盾が出てきます。

そして誤魔化しなどの行為が周りに知れたとき、
これまで培ってきた信頼を大きく失う結果が待っています。

「fool somebody(誰かを騙す)」のではなく、
つねに真摯に向き合い、ミスが起きてしまった場合も誠実に対応すること。
そして、少しだけ貪欲に、自分から動くこと。

この二つの行動を続けていると、周囲が自然と助けてくれる結果になったり、
想像以上のチャンスが巡ってきたりするはずです。

私も良い結果になると信じて、
いつでも誠実に、ちょっと貪欲に、日々の仕事をやっていきたいと思います。