「Food for thought」は、ちょっと考えてみてください、というシーンでよく使われる常套句です。
- The test results have given us food for thought.
という使い方をする場合、
- そのテスト結果は、私たちに考える材料を与えてくれました。
そんな意味になります。
今回は、テスト結果を例に出しましたが、
このように「Food for thought」は価値が高い、考えるべき価値がある、
という場合によく使用されます。考えるべき付加価値、というニュアンスですね。
そのため、物事をちょっとだけ考えてみる、考慮してみる、
という軽い感覚とは少し違います。
先日、会議をしていたときも、「Food for thought」という表現が出てきました。
その日は、同じ会議中に、
立て続けに「They fixed the problem in a piecemeal way.」
という食べ物に関連する言葉が耳に入り、興味をそそられました。
「piecemeal」という言葉だけ聞くと、
食べ物の一部、という意味に捉えがちです。
ですが実際は、バラバラに、断片的に、一つずつといった意味で使われます。
食事を表わすmealとは関係なく、
中英語「piecemeale」古英語の「piecemealum」が由来です。
もともとは「一定の時間」という意味だったそうです。
それが、バラバラの時間=ひとつずつ、
ばらばらと、五月雨式にという意味になり、
They fixed the problem in a piecemeal way.という風に使われました。
「Food」「 meal」と続いたこのミーティングですが、
まだ終わりません。最後は、
「You may need to swallow the Durian and do that.」
(ドリアンを飲み込んでやるしかないね)
という言葉が締めでした。
世界一臭い(けど美味しい)フルーツとして知られるドリアン。
ドリアンを飲み込むように、我慢して頑張るしかないね、
そんな意味合いで使われたようです。
言われた当の本人は「ドリアンは好きだから構わないよ!」
そんな風に冗談で返していましたが。
これと同じような意味で使われる言葉に、「Bite the bullet」があります。
直訳すると「弾丸を噛む」
弾丸なんて食べられないのに?
そう思ってしまいますが、語源を紐解くと、実は本当に弾丸を噛んでいた過去があります。
19世紀の軍隊では、兵士を治療・手術する際の麻酔が不足していました。
この時、痛みに耐えるため、弾丸を噛ませて苦痛を和らげていた、という話が残っています。
これらの背景から、苦しみに耐えて進む、
困難な決断をする、といった際に「Bite the bullet」が使われるようになりました。
この表現は相当厳しい時に、耐え忍ぶ、というニュアンスで聞くことがあります。
それにしても、この日はとくに、食べ物の比喩が多い会議でした。
シンガポール在住の主催者が、お昼どきに開催した集まりだったのが、原因かもしれません。