海外で法務の仕事をしている方と話していたとき、
「bright line(ブライト・ライン)」という言葉を耳にしました。
明るい線ってなんだろう、そう感じるかもしれませんが、「bright line」の直訳には、明るい線以外に、「くっきりした線」という意味もあります。
ただ今回は、単純に線をくっきり引きたかった訳ではなく、
「あいまいでは許されない明確なルールや基準」という意味で使われていました。
これは、ビジネスや法務の場面でよく用いられる言葉で、
- 「ここから先は絶対にダメ」
- 「これ以上は許容できない」
といった、はっきりとした境界線を示したいときに使われます。
日本語でも区切る、一線を引く、といった表現があるため、
なんとなくニュアンスが分かりますよね。
白黒はっきりした結論を出したいとき、
例外を認めたくないときは、事前に「bright line」を決めておくと、後のトラブルを防げます。
例を出すと、
- “We need to set a bright line between personal expenses and reimbursable business costs.”
- 「私的な支出と経費精算の対象となる支出の間には、明確な境界(ブライトライン)を設ける必要があります。」
といった感じです。
私的な支出と経費との混同、
日本でもよくどこまでが接待交際費になるのか、といった議論が交わされますが、
この問題はどの国でも見かけます。
今回は、法務に携わる人が発言していたこともあり、
より場面が想像しやすく、意味をすぐ理解できました。
Lineという言葉が入った、似たような表現は他にもあります。
- 「Out of line」
- 「cross the line」
- 「Draw the line」
どれも、単語の意味を知っていれば、使われる方を想像できるのではないでしょうか?
それぞれの意味と使用例がこちらです。
- 「Out of line」
意味:非常識なことをする、マナー・ルール・上下関係を無視する
「行儀が悪い」「生意気すぎる」といったニュアンスでも使われます。 - 例: “That comment was out of line.”
: 「その発言は常識を逸脱していた。」
といったフレーズをよく耳にします。
- 「Cross the line」
- 一線を越える、度を越す、許容範囲を超える
特に、「悪ふざけが過ぎた」「侮辱に変わった」など、何かをやり過ぎたタイミングで使われます。
- EN: “He was joking, but he crossed the line.”
- JP: 「彼は冗談を言っていたけど、やりすぎた。」
言っていいこと悪いこと、やっていいことといけないこと、
そんな常識の範疇を超えてしまったときに、耳にする言葉です。
- 「Draw the line」
- 意味:ここまではOKだが、それ以上はダメという線を引く/限界を決める
このフレーズは、本人の意思や方針として「譲れない基準」を決める時に使われます。
- EN: “I’m flexible, but I draw the line at working weekends.”
- JP: 「柔軟に対応するけど、週末に働くのは無理です。」
週末以外の時間帯であれば、融通を利かせられるけれど、
週末は絶対に動かない、という強い意志が伝わりますね。
このように、lineという言葉は、幅広いビジネス用語に使われています。
他にも「Bottom line」「Hold the line」など、
さまざまなフレーズがありますので、気になった方はぜひ調べて、使いこなしてみてください。