ビジネスの場では、ある議題について意見が異なる者同士が会話をする、
という場面が多々みられます。
会議や業務で良い結果をもたらすための活気あふれる意見交流は、
企業にとって望ましいものです。
このような状況を説明する際、
つい「Argue」を使ってしまう例がみられます。
Argueには、論じる、論ずるといった意味がありますが、
どちらかというと誰が合っていて、誰が間違っているのか、
一方の正しさを求める時に使われる単語です。
そのためビジネスで使用してしまうと、
対話がネガティブな状態に陥っている印象を与えてしまいます。
話を聞いた周囲がギョッとしてしまうケースがあるため、注意しましょう。
Argue だけでなく、Debateも望ましくありません。
英語の授業などでディベート形式の発言をするケースがあるせいか、
抵抗なく使っている例がみられるのですが、
Debateは、かならずYES/NOに論理が分かれます。
さらに、どちらが優れていたのか、最後には勝敗が競われます。
この点からも、ビジネスにはふさわしくない単語といえます。
Disputeも利用しない方が無難です。
Disputeは法廷で舌戦する、
何らかの真理にたいしてどちらが正しいのか言い争う
という意味を持つからです。
これらの言葉を使っていたり、適した対話の表し方で迷っていたりするなら、
これからはシンプルにTalk、もしくはDiscussを使いましょう。
ただのディスカッションではなく、
熱い白熱したディスカッションであると強調したいのであれば、
Heated discussionというフレーズもあります。
これではちょっと活気的過ぎる、白熱しすぎている感じが出てしまう、という場合は、
Interesting discussion、という言い方をするケースもあります。
合わせて、Discussの正しい使い方も知っておきましょう。
In business, you should always discuss the options with your colleagues.
このように、Discuss + 目的語 + with +人の順が正解。
Argue aboutに引きずられて、ついDiscuss about と言いたくなりますが、
これはよくある文法の間違いです。
ビジネスシーンでは、冷静かつ建設的な対話が望まれます。
実際に、ある日本人がつい使った表現が元になり、
「現場は大喧嘩になっているのか?」
と心配されるケースがありました。
間違えて単語を使ったがために、討議参加者の間でトラブルが起きているのでは?
と誤解されてしまった例の一つです。
余計な心配や憶測を呼ばないためにも、言葉を上手に選ばなければいけないと、
苦笑するしかなかった一件。皆さまもお気をつけください。