英語なんて無理!.難しい内容をスラスラ直訳で文章にするコツ

ちょっとしたコツ

ビジネスの話は、困難な状況がつきものです。
日本語で説明するのも難しい、ビジネスの状況やニュアンス。
それを英語にするなんて、長年海外相手に仕事をしていても、簡単ではありません。

ではどうするのか?

答えは簡単です。

  • 「難しい内容を、英語に訳すのはやめましょう」

そんな大変なこと、私だってしていません。

スラスラ直訳って言ったのに……タイトルと矛盾しているようにみえますよね。
私が言いたいのは、“難しい内容を、そのまま英訳しない”ということです。
難しい内容は、英語力の高い人が正確に英訳したとしても、まず通じません。
それを、母国語ではない私たちの英語で、伝えられるはずがありません。

では、どうやったら難しい内容を、スラスラ書けるようになるのでしょうか?
その答えは「直訳」です。

伝えたい内容を、まずは「やさしい日本語」へ見直します。
次に、それを直訳してください。
直訳で英語にできない場合は、元の日本語の整理が足りていない証拠。
誰でもわかる「やさしい日本語」になるまで、見直しましょう。
これができれば、誤解の生じない英語へ、スラスラ書き直せます。

「やさしい日本語」を徹底する場合は、多くの注意点がありますが、まずは5つでOK!

  1. 文章を短く( 一つの分に一つの情報、「名詞節」「長い形容詞」は分割)
  2. 箇条書きを使う
  3. 表現は直接的に。不要な繰り返しをしない
  4. あいまいな表現は避ける
  5. 図表を使って分かりやすくする。

この5つのポイントに注意すると、「やさしい日本語」に生まれ変わります。
「ハサミの法則」も覚えておくと便利です。

  • はっきり言う
  • さいごまで言う
  • みじかく言う
「やさしい日本語」について | 2020年オリンピック・パラリンピック大会に向けた 多言語対応協議会ポータルサイト
「2020年オリンピック・パラリンピック大会に向けた多言語対応協議会ポータルサイト」は、東京2020大会に向けた多言語対応の推進のために役立つ、協議会情報や全国的な先進事例・参考資料等を総合的に紹介しています。

次は5つのポイントを、実際の事例と合わせながら、詳しくみてみましょう。

1.文書を短く

文章を短くする基本はこの3つです。

  1. 一つの文章を短くして、文の構造を簡単にする。
  2. 一つの文章に一つの情報
  3. 名詞にかかる節は、構造を単純にするか分ける

<元の文章> 

  • 記入内容に問題がある資料については、そのままでは手続きできないため、確認の上、処理をしてください

<やさしい日本語へ改善した文章>

  • 資料の記入に問題があると手続きできません。(名詞節を分ける)
  • 資料の内容を確認して、処理してください。(情報を分けて文章を単純化)

<やさしい日本語を直訳>

  • If the document has issues, the process cannot be done.
  • Please check the contents and process.

または

  • The document has issues.
  • Then that document cannot be processed.
  • Please check the document first.

こうすると、必要な情報を的確に伝えられます。

2.箇条書きを使う

箇条書きは、一文や一つの文章にかたまりに、情報が多い場合に有効です。

3つ以上のことを伝えたい場合は、箇条書きに直しましょう。

3.表現は直接的に。不要な繰り返しをしない 

不要な繰り返しを避けるなら、

  • 主語+述語(S+V)
  • 主語+目的語+述語(S+V+O)
  • 主語+述語+補語 (S+V+C)

といった形に単純化しましょう。

<元の文章>

  • 元の文章に曖昧さがあるということは、読む人にとって混乱する状態を招くことになります。

<やさしい日本語へ改善した文章>

  • 曖昧な文章は読む人は混乱させる

<やさしい日本語を直訳>

  • Ambiguous sentences confuses readers (SVO)

これなら、分かりやすいですね。

4.あいまいな表現は避ける。

あいまいな表現には、時間や数字、憶測などが挙げられます。

時間や数字のあいまいな表現

  • 「くらい」「程度」「ごろ」「ばかり」「ほど」「など」

断定的な表現を避けた推測表現

  • 「おそらく」「たぶん」「そのようです」「だそうです」「ではないでしょうか」 「可能性があります」「おそれがあります」「かもしれません」

元文章があいまいな表現であっても、それを正確に伝える必要はありません。

相手が一目でわかる、明確な内容を心がけましょう。

<元の文章>

  • おそらく日本市場において、かなりの影響がおきるおそれがあり、懸念されます。

<やさしい日本語に改善した文章>

  • 日本市場に大きな影響が起きるかもしれない。

<やさしい日本語を直訳>

  • There may be a big impact to Japan market.

このように必要ない表現を省くと、訳しやすく、伝わりやすい文章になります。

5.図表を使って分かりやすくする。

組織や時系列、前後関係などは、図や表にすると誤解がありません。

そのままでは伝えにくい内容は、図や表を的確に使い、見ただけで分かるように心がけましょう。

やさしい日本語

やさしい日本語作成については以下サイトを参照しています。

「やさしい日本語 (*注1)」

https://www.bunka.go.jp/seisaku/kokugo_nihongo/kyoiku/pdf/92484001_01.pdf http://www.moj.go.jp/isa/content/930005563.pdf

*注1

「やさしい日本語」

出入国在留管理庁と文化庁により作成されたガイドライン。

日本に住む外国人にわかりやすく情報伝達するための日本語のガイドライン。

外国人にもわかりやすい日本語のこと。

在留支援のためのやさしい日本語ガイドラインほか | 文化庁
在留支援のためのやさしい日本語ガイドラインほか
在留支援のためのやさしい日本語ガイドライン | 出入国在留管理庁
http://www.moj.go.jp/isa/content/930006072.pdf
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