社内通達やルール変更の発表があった場合、そしてその内容があまり親切でなかった場合、どのように対処していますか?
日本人コミュニティーの場合、
「詳細が分からないから、これではお客様に説明できない」
と頭を抱えるリアクションが、想定されます。
そして、
「例外事項がはっきりしていない」
「こういう場合や、ああいう場合はどうなんだろう?」
と、さまざまな“たられば”を前提とした話が始まるでしょう。
NGの場合を想定し、どう対応すべきかのQ&Aを要求するケースも少なくありません。
ですが、実はこれ、海外相手では、反感を買いやすいリアクションです。
通達側は、発表を通じて
「こうしなさい」
と言っている通り、通達への即時適応、順守を期待しています。
ところが、事例や問題が起きる前から、
ルール違反・逸脱を想定し、詳細を確認してしまった場合、
「期待に応える気が無いようだ」
そう、マイナスに捉えられてしまうでしょう。
通達した側としては、通達や新ルールを守る努力が第一。
それがどうしてもダメだった時に、
初めてエスカレーションや、例外申請がおきるものと思っています。
このことからも分かるように、海外ではたとえ無茶振りであったとしても、
万が一の対応を先に細かく決めてしまうような行動は、好まれません。
実際にルール違反、逸脱が起きてから、例外相談をする、という順序を踏む。
もしくは、起きるに違いない例外、逸脱だけ事前確認し、万が一の部分は、
「事前に起きかねない問題として、情報共有しておきます。このような例が出てきたら、一緒に考えてもらえませんか?」
といった言葉で、現在の通達をもとに、前向きに頑張る姿勢を示しましょう。
実際に相談する場面になった場合は、ポジティブな確認方法を選択してください。
下の表は、分かりやすい例です。
このように、ちょっと視点を変えるだけで、通達側の反応がまったく違ってきます。
結果的には、同じことを要求しているのですが、
言い方、アプローチの仕方を変えるだけで、反応が大きく変わります。 無茶な指示への対応で悩んでいる方は、参考にしてみてください。
確認したいこと 例 |
一切適用不可 |
日本独自ルールの必要性 |
通達徹底に時間がかかる |
やりがちな要求 例 |
非・適用の承認 困難である事の説得 特殊性の説明 問題の羅列 |
ルール変更の要求 日本独自事情の説明 標準ルール順守が無理である事の説明 (ルールが「守れないので」ルール変更を求める) |
ルール適用時期の見送り 販売会社、市場、顧客への通達や翻訳、説明会などの時間がかかるので通達適用を遅らせる |
反感を買わない要求・対処 例 |
エスカレーション の仕方 懸念事項の事前共有 適用を前提とした例外申請方法の確認 問題発生時の責任者確認 |
事前の懸念共有 特殊事情をパターン化、発生時対処の事前整理とその合意 (ルールを「守るために」例外対応発生の「可能性」について事前理解を求めておく) |
ルール即時適用、罰則適用までの猶予合意 即時通達、徹底努力に合意。ただし、通達徹底までには時間がかかる可能背があるので罰則適用は猶予。 |