「アメリカ相手にビジネスをした経験がある」
という方は分かると思うのですが、
アメリカ人は、会話の中で生まれるちょっとした「静寂」を苦手としています。
会話が止まってしまわないように、
「間」を作らないように、一生懸命話する方が多い印象です。
私は日本人ですので、ネイティブの勢いで話を進められてしまうと、
言語処理が追いつかないケースがあります。
そのため、多少「間」のある会話の方が、ほっとできます。
とはいえ、外資系企業や海外拠点と話している場合、
どうしても会話のテンポが速いもの。
「ついていくしかないのか……」
と考えていたのですが先日、
コミュニケーション学の教授による講義ビデオをみていて、嬉しい発見がありました。
教授によると、効果的にプレゼンをするなら「間が大事!」とのこと。
なぜなら、私たちの脳は「同じパターン」に慣れてしまうと、
注意が削がれてしまうのだそうです。
会議やプレゼンで自分の意見を相手に伝えるなら、
会話が途切れないように話し続けるのではなく、
重要な部分は話すスピードを遅くする、
それ以外は早める、といった方法を取り入れるのが良いと聞き、
やっぱりそうかと納得しました。
話すスピードを遅めたり、「間」作ったりすると、注意喚起につながります。
「間」ができた瞬間にあれ? と感じるため、
情報を集めようと注意が向きやすくなります。
「間」を入れるメリットは、注意喚起だけではありません。
「信憑性を上げる」結果にもつながると、教授は話していました。
「間」ができると、相手の言葉を脳内で繰り返す余裕が生まれます。
意見を頭の中で理解する、反芻する時間が生まれるため、受け入れやすくもなるそうです。
たしかに、息継ぎする暇もなく、
弾丸のようにしゃべる相手との会話は、意識が流れてしまいがちです。
そうではなく、適度に「間」を入れてもらえば、
その間に考えの整理ができそうです。
言われてみれば、私自身も「間」を活用して、相手の言葉を頭の中で繰り返している気がします。
「間」というのは単純に、母国語ではない言葉への理解を深める時間ではなく、
重要な意味があるのだと知ったできごとです。
日本語での会話ほど間を入れてしまうと、
アメリカ人は不快かもしれませんが、
少しテンポをゆるめる、息継ぎを入れる、という程度であれば、自然に取り入れられそうです。
自分の意見を相手へきちんと伝えたい時は、ぜひ試してみてください。