【If I may~もしよろしければ~】
海外を相手に、ビジネス会議をしているとき、
もしくは、フォーマルなディスカッションに参加しているとき。自分の意見や提案を述べる前に、
「If I may」
と一言置いてから、話しはじめる方がいます。
もしよろしければ、失礼ながら、といった場面でも使われる言葉ですが、ここでは、
「もし許可をいただけるなら、私の意見をお聞きいただけますか?」
というニュアンスでの発言です。
日常の会話や、チーム内の会議などではあまり耳にしませんが、
上司や権威ある人との会話、または礼儀が重んじられる場面などで、
使用されるケースがある言葉です。
この一言があるだけで、
発言者の品の良さ、配慮の深さなどが伝わる、
とても良い言葉だなぁと感じながら、聞いていました。
英語圏には、敬語や丁寧語がない、
と思っている方もいると思いますが、
このような謙虚さを示す言葉はいくつかあります。
「if I may」は、英語の中でも非常にていねいな表現で、
話す権利を持ちたいとき、意見を述べる許可を求めるときに最適です。
日頃は敬語、丁寧語が少ないお国柄だからこそ、
許可を確認する一言に、より謙虚さを感じるのかもしれません。
「if I may」は、許可の確認をする言葉のため、
自分が話の主導権を持っている場合には使用しません。
相手の意見や主張にたいして、自分の意見やコメントを伝えたいとき、
許可を求めるために使用します。
事前に相手の許可を得る一言で、
自分が礼儀正しい人であること、相手の意向を尊重していることが、きちんと伝わること。
相手の言葉に対して、自分の意見を押しつけるのではなく、
相手の承認を得た上で離す流れにできる点がメリットです。
自分が発言して良い場面かどうか、
確認しながら進めたい場合は、「if I may」をつけて、謙虚な気持ちを伝えてみてください。
この言葉には、別の良い点もあります。
先に「if I may」を一言述べると、
慌てて次の話をはじめる必要がなくなります。ゆったりと大きな間をとって話しても、
適切に聞こえますし、周りからの好感度をアップできる場合もあります。
私たちのような、英語が母国語でない人間が、発言の用意ができるまで時間稼ぎする、
といった使い方もできます。
このように、「if I may」はとても便利な言葉ですが、乱用はあまり感心しません。
「if I may」には、自分の意見や提案が相手に受け入れられるかどうか「確認したい」、
という気持ちが含まれています。
また、事前に「if I may」を使うことで、
相手の承認を得た上で、意見を述べたいという慎重さも伝わります。
こんな風に、自分の発言が相手に受け入れられるかどうか、
毎回毎回気にしすぎる人がいたとしたら、
逆に鼻についてしまう可能性があります。
乱用した結果、スムーズな会議の進行を止める結果にもなりかねません。
活用するなら、畏れ多さを感じている相手との会議、
普段とは違うかしこまった場面の中など、ここぞというときを選んで、
単発的に使うのがおすすめです。