英語ではどう伝える? ビジネスシーンの「さばをよむ」
日本で予算会議などをしているとき、
「さばをよむ」「下駄をはかす」「鉛筆を舐める」といった言葉に出会うことがあります。
「さばをよむ」は年齢をごまかすときに使われがちですが、
ビジネスでは「実際よりも多くしたり少なくしたりする」という意味です。
「下駄をはかす」は、「価格や数量などを多めに見積もる」
「鉛筆を舐める」は、「数字をごまかして調整する」という表現に使用されます。
オジサン用語と言われる表現のため、最近はあまり使われませんが、
年上の上司がいる場合は耳にする機会があるかもしれません。
このような予算に関連する言葉ですが、
海外でも例えやすいらしく、似たような表現が使われています。
私が実際に会議で耳にした、5つの例がこちらです。
- “Can you ballpark it for me?” – 大まかな見積もりをしてくれますか?
- “Take a wild guess for me.” – ひとまず大胆な推測をしてみてください。
- “What’s your gut feeling on this?” – これについての直感はどうですか?
- “Throw out a rough estimate.” – 大まかな見積もりを出してください。
- “How about a quick-and-dirty estimate?” – とりあえずざっくりとした見積もりは
一つ目のballparkというのは、野球場を指します。
広いスタジアムにたくさんのファンが集まった状態では、
来場者が何人いるのか数えられませんよね。
この様子から、「まずは大まかで良いので、見積りを出してほしい」
という意味で使われています。
他にも最近、こんな珍しい例を聞きました。
「Give me a back-of-the-napkin calculation.」
(ナプキンの裏に書き出す計算を教えてください。)
使っていた人から、
「これは、バーやレストランでアイデアを思いついたとき、
そこにあった紙ナプキンにメモする程度の軽い気持ちで」
という意味だよ。説明されました。
意味は分かりますが、数字を提出したら、
軽い気持ちだったかどうかは関係なくなるため、
数字が歩き出してしまう=”Once it’s out there, it’s set in stone.”
になるのでは? そんなことを考えていた私です。
こんな言葉もあります。
「Read the leaf and give me a number.」
こちらは直訳すると、
「葉っぱを読んで数字を教えてください」という意味ですが、
ビジネスでは、「数字を予想して、何らかの回答をください」という表現になります。
これは、紅茶の茶葉の形を読み解く、紅茶占いからきている言葉です。
発言していたのが、オーストラリア人だったため、
オーストラリアではアメリカ文化よりも英国文化が影響しているのかも、と勝手に想像した一件です。
時代やそれぞれ国の文化によって、いろいろなビジネス用語があるものですね。