知っていますか? 自動きゅうり(Autocucumber)

考察

海外には、Autocucumber「自動きゅうり」というスラングがあります。

日本人からすると、これは一体何? そう思ってしまいますよね。
ネット検索してみても、説明しているサイトは少なく、きゅうり農家さんの記事ばかりが出てきます。

この気になる自動きゅうりの正体
……実は、iPhoneやAndroid、パソコンなどの
自動スペリング修正機能=Auto Correctを指しています。

数少ないネット情報では、
「iPhoneやAndroid、Auto correct機能が “catastrophically fails致命傷的に間違えた”時に使われる、イギリスのスラング」
だと説明されています。

「Auto Correction」と打とうとした時、
「Auto Cucumber」と勝手に誤変換される事例が多発したため、
このスラングが誕生したそうです。
面白いですよね。

これらは日本語でいうところの「言い間違い」であり、
英語では「slip of the tongue」または「verbal slip-up」といった言葉で表します。

その他にも、このような細かい区別があります。

●Spoonerism : スプーナー誤法

スプーナーさん(1844 – 1930)という、オックスフォード寮の監督者がいました。この方は発音をよく取り違え、違う言葉で意味が通ってしまう間違いをよくしたそうです。それが滑稽であったため、この名がつきました。

“The Lord is a loving shepherd.主はシェパードを愛でている”

と言いたかったのに、

“The Lord is a shoving leopard主はヒョウを埋めている”

こんな風に間違えてしまった例を指します。

●Mondegreens : モンデグリーン

モンデグリーンは、曲の歌詞を聞き間違える語法です。
たとえば、ユーリズミックス(Eurythmics,ユーリズミクス)の
“Sweet dreams are made of this.(甘い夢はこれから出来上がっている)”という歌詞を
“Sweet dreams are made of cheese(甘い夢はチーズから出てきている)”
このように取り違える例を指します。

●Eggcorns : エッグコーン

類似・同一発音のため、間違えて利用される言葉です。

もともとはAcorn (どんぐり)を聞き間違い、Eggcornと理解。
間違って使用してしまったことからはじまります。
どんぐりから木が生えるように、卵から鶏が成長するため、誤解が訂正されなかった、
という経緯があるのかもしれません。

 “Here! Here!”(ここ!ここよ!)の代わりに、“Hear! Hear!”(聞いて聞いて!)と
理解してしまったエピソードもあります。

●Malapropisms 

類似発音の言葉を置き換えてしまい、発生する言葉の滑稽な誤用を指す言葉です。

Mrs. Malapropという主人公が、喜劇の中で言い間違いを多用し、人気を博したことから、こう呼ばれるようになりました。

一例を挙げると、劇中で“He’s the pinnacle of politeness.”(彼は礼儀正しさの頂点だ)というべきところを“He’s the pineapple of politeness”(彼は礼儀正しさのパイナップルだ)と言い間違えたりします。

その他にもマイク・タイソンがレノックス・ルイスとの対戦で負けた際。

コメントで
“I might fade into oblivion(忘却の彼方に消えるのでしょう)”
と言うべきところを
“I might fade into Bolivian(ボリビアにでも消え去るのでしょう)”
と言ってしまった動画が、YouTubeにアップされています。
このような映像を見ると、つい同情してしまいます。

いろいろな言い間違いを紹介しましたが、
つまるところはネイティブであっても言い間違える、ということです。
どもりや吃音もあります。

普段は流暢に話している人も緊張すれば間違えますし、
日本人同士であっても同じように空耳や聞き間違い、言い間違いが当たり前です。

そう考えれば、外国人の私の英語がちょっとやそっと可笑しいからといって、
問題になるわけがありません。

皆さまも考え過ぎず、ぜひ堂々と英語で発言してみてください。

間違いに気付いた時には、

  • No! I take it back. あっ!間違えました。
  • Let me restate it again. 言い直しさせてください。

このような言葉で訂正すれば、まったく問題ありません。

訂正できなくても、よくある言い間違いで終わります。
気にし過ぎないように、会話を楽しみましょう。

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