3次元的優先順位のつけ方

考察

部下を指導していると、
優先順位のつけ方の指導に終始してしまうケースが少なくありません。
優秀な人であっても優先順位については理解が難しい、
というケースが多いのですが、その原因の一つに、

  • 重要・重要でない
  • 急ぐ・急がない

という二つの軸だけで判断してしまっている、という背景があります。

もちろん重要度、緊急度は判断材料なのですが、中には

  • 「金額は大きい(重要)けれど、判断は今でなくてもいい(急がない)」
  • 「お客様は主要顧客(重要)の担当者(重要でない)」

といった複雑な状況もあります。

このような場面で最善に動くためには、別の軸が必要です。

問題が複雑化してきたら、
「自分でできる・自分でできない」という軸を足してみましょう。
ここを明確にすると、

  • 自分でできるけど、重要ではない=>対応不要
  • 自分でできるし、重要だけど、急がない=>後回し、期限をあらためて対応
  • 自分ではできない、重要ではないが、急用=>他の誰かに至急対応を要求

このように、取るべき行動が定まります。

その他にも、「インパクト・影響度」を意識すると、より最適な答えにたどり着けます。

  • 重要だけど影響度は小さい=>時間をかけない。もしくは副産物的に解決できるよう考える
  • 重要ではないが影響度は大きい=>便宜的に回避策を考え、即時効果に注目する
  • 急がないが、影響度が大きい=>時間をかけず迅速に対処できる方法を考える

インパクトや影響度を視野に入れた結果、
問題に応じた解決方法がみえてきました。

もう一つ、軸を加えるのであれば
「会社・職務にとっての意味・意義」を考えてみましょう。
自分が勤めている企業、業種によって、優先順位が高い項目が変わります。
「スピード」や「変化への対応」が重要なのか、「リスク回避」「明確・普遍的」が重要なのか、会社が求める優先順位を頭に入れておきましょう。
優先順位について指導する場合も同じです。

自分のチームが期待と異なるパフォーマンスを示したとき、
「優先順位を考えて!」
と指示するのはNG

自分の優先順位と相手の優先順位が一致しない時は、
3番目の軸として何を共有すればいいかを考え、合意するとうまくいきます。