3秒ルール? それとも5秒ルール?

考察

小学校で給食を食べていると、
「3秒ルール!」
と叫んで、落としてしまった食べ物を拾って食べる子が、クラスにかならずいました。

現在はどうなっているのか分かりませんが、
家庭でも、3秒くらいならセーフだと、拾って食べる方がいるのではないでしょうか?

先日、この話を英語圏の方にしたところ、
「北米ではFive Second Rule(5秒ルール)だよ」
と教えてくれた人がいました。

日本以外でも、同じようなルールを採用している国があると知り、
世界的なの習慣なのかと聞いてみたところ、ヨーロッパの仲間からはこんな答えが。

  • イタリア「なし」
  • ポルトガル「なし」
  • オランダ「なし」
  • アイルランド「なし」

そんなルール聞いたことがない、という反応と同時に、
「汚くない?」という冷たい視線が刺さりました。

日本人はつい“もったいない精神”で拾ってしまいがちですが、
仲間が言うとおり、衛生面を考えると「3秒ルール」「5秒ルール」はおすすめできません。

食べ物が落ちた床や地面にはさまざまな細菌、微生物が存在しているため、
一瞬で食物に付着し、口に入ることになります。
オフィスの場合は、トイレに入った靴で歩いていますし、
周りに体調が悪くて咳やくしゃみをしている人が、いるかもしれません。

まめに掃除をしていても、日々徹底して水拭き・除菌する、というのは難しいため、
落ちたものを食べるのは避けるのが賢明ですね。

3秒ルールはダメ、そう分かっていても、ブラジル人の回答には笑いました。

  • 「早ければいいのよ! 秒数は関係ないわ。
    十分早かったから大丈夫! って叫んで食べちゃうの」

落ちた瞬間に拾い取って、即座に口に入れる様子が目に浮かびます。

もちろん、気候が温暖な南国ブラジルであっても、
落ちた食べ物が不衛生なことに変わりはありません。
食べ物を落としてしまったら潔く諦めて、処分するのが身体のためですね。

3秒ルール、5秒ルールの信憑性については、
2004年にジリアン・クラークさんという高校生が研究しています。
その結果、滑らかな床でもざらざらの床でも、置いた食べ物に菌が付着したそうです。
この発表は、イグ・ノーベル賞を受賞しています。

その他にも、2006年にはクレムゾン大学のポール・ドーソン博士、
2014年には英国アストン大学のアンソニー・ヒルトン氏が
それぞれ、食べ物×床材×接触時間で新たに実験をしているなど、実は興味関心の高い分野のようです。

現在はおすすめできない3秒ルール、5秒ルールですが、
「○秒以内なら食べられる!」そんな夢の床材が、いつか開発されるかもしれません。

参考サイト:3秒ルールの科学的合理性

食べ物を落としたときの「3秒ルール」は科学的なのか?(村上 道夫,永井 孝志,小野 恭子,岸本 充生)
賞味期限、放射線量、電車内での携帯電話……私たちはさまざまな基準値に囲まれて、超えた/超えないと一喜一憂して暮らしています。しかし、それらの数字の根拠を探ってみると、じつに不思議な決まり方をしているものが多いようです。
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