通達を行うなら譲れない一線をシンプルに

例文・トピックス

日本国内で、連絡事項や通達を発信する場合。
詳細ルールや適用事例。例外時の適用事例、問題発生時の対応方法、Q&A一式など、細かい情報が期待されます。

ルール施工の初日から、不明点の問い合わせや適用問題が起きることなく、静々と展開されるのが理想です。

このような分野は、日本人が得意としているジャンルですので、丁寧な準備を行い、資料を作成するでしょう。

ところが、海外向けに同じ作業を行った場合、外国人メンバーから

「こんなに詳細を書かれてもわからない」
「通達がたくさんありすぎて、読み切れない」
「前回大丈夫だったから、注意事項に気がつかなかった」

という、日本人相手では考えられない反応を、受け取ることになります。

さらに、連絡事項や通達をちゃんと読んでもらえないため、問題が次々と山積みになる……というのも、海外ビジネス「あるある」です。

このように、せっかく作った文章を無駄にしてしまわないためにも、海外向けの通達は、できるだけシンプルにしましょう。

外資系の組織は目的、価値観が異なる従業員が、一緒に働く場でもあります。

「なぜ通達しているのか」
「万が一、ダメならどうなるか」
「問題になった場合、自分にどんな不利益が起きるのか」

この3つにポイントを絞ると、すぐに内容が把握できるので、相手へ伝わりやすくなります。

通達の事例

The purpose of this note is to be clear on our leadershipʼs expectations around our customer engagements. While I recognize it is an important part of the journey our customers take with us, we need to make sure we are engaging in an appropriate way, so as not to cause any issues.

 (会社としての意思・組織としての意思・意義である事の明確化)

Please take note of the following:

Free products:

I want us all to be clear about using Free products appropriately in line with both the policies and intent. Failing to do so at best could result in a compliance issues if used for unexpected activity. 

(万が一の場合の影響、および最悪自分にも影響がある内容を明確化)

Any Free Products that has more than 2 months validity or needs to be renewed should also be endorsed by the managers to make sure we have a clear line of sight to the critical success indicators.

(必要プロセスを最低限の情報で)

Any questions please let your manager know.

上の例文を見て頂くと分かる通り、Q&Aや例外処理、詳細事項は内容に含まれません。

海外部門の多くは、展開してから考えるのが一般的。
展開前から細かいことを言うのは、混乱を起こすだけです。

さらに、自分だけでなく、相手側にも余計な労力を使わせる結果になってしまいます。
このことからも、問題が起きてから相手に合わせて順次対応する方が、適切であり、親切です。

どうしても万が一に備えたい。
すでに詳細事項を用意している。
という場合は、必要プロセスの中にドキュメントへのリンクなどを貼り、
「FAQはコチラ」
という形で、導けるようにしてください。

この方法なら、必要な時に必要なところだけ理解したいという海外メンバーの要求に合うため、実務的、効果的な通達になります。