大変ありがたいことに、私は今、Regional Vice Presidentという役職をいただいています。
では「この役職だから、人よりも仕事ができているのか」と問われると、それは違うと思っています。
日本では「役職がないとできない仕事がある」と思われがちです。
ですが、外資で働くようになってから、それは違うと強く感じるようになりました。
長年仕事をしてきて理解したのは、
仕事とは結局「人を動かせるかどうかに尽きる」ということです。
誰もが自分の仕事で手いっぱい。
そんな中、他人の依頼に時間を割くのは、簡単ではありません。
上司の指示ですら、「面倒」「不本意」「余裕がない」と思ったりするのに、
上司でもない相手からのお願いは、なかなか聞いてもらえません。
とはいえ、自分一人で完結できる仕事はほとんどなく、
周りから助けてもらわなければ、前に進めません。
そこで周りへ相談するのですが、
- 「聞いたけれど、答えてくれない」
- 「お願いしたのに、やってくれない」
- 「私が言っても動いてくれないから、上司から言ってもらわないとダメかもしれない」
という声をよく耳にします。
でも私は「自分の立場や役職が低いから、聞いてもらえない」と考えているなら、
それは仕事を甘く見ているのでは? と思うんです。
上司の立場になった私のところには、
「私から言っても聞いてもらえないので、あなたのような役職のある人から言ってください」という
相談が少なからずあります。
そして、そのたびに少し悲しくなります。
「もっと自分で努力すればいいのに」と思っている訳ではありません。
「人を動かす力は、役職で決まる」という誤解が、まだ職場に根強く残っている、
という事実が残念なのです。
本当は、誰もが人を動かす力を持っています。
丁寧に伝え、相手の立場を思い、信頼を積み重ねれば、肩書きがなくても人は動いてくれます。
私もこの積み重ねで、周囲の協力を得てきました。
だからこそ、「もったいないな」と感じてしまいます。
周りの人に頼んだけれど断られてしまった、という経験がある方、
- 手伝いやすいように、わかりやすく説明しましたか?
- 一人ひとりに向き合って、目を見て話しましたか?
- 気持ちを込めて、相手にとってのメリットを伝えましたか?
- 「やってくれないと困る」ではなく「やってもらえると良くなる」と説明しましたか?
この4点をすべて心がけて、
それでも動いてもらえなかったタイミングが「なぜ動いてもらえないのか」を考えるときです。
簡単ですが、なかなかできないことです。
なかなかできないから、できる人は、期待されます。
相手の気持ちに立った言葉選び、行動をしていないのに
「自分には役職がないから」と考えるのは、自分の力を過小評価しているだけだと、私は思います。
人望は、自分で作るものだし、そういう意味で、
道のりは長いなぁと思います。


