前回、外資系企業では安易に謝罪しない方が良い理由をお伝えしました。
ですが、やはり日本人として、
同じ顧客・市場・目標に向かって頑張っている会社員として、
トラブルを前に他人事ではいられません。
この考え方や心がけこそが、日本人の美徳であり、
さまざまな日本人たちが築き上げてきた信頼につながっています。
今日からは、申し訳ないと感じる精神を大切に、謝る以外の方法を実践してみましょう。
謝らないで申し訳なさを伝えるコツ
謝罪はせず、チーム一丸となって動くには、気持ちの示し方が重要です。
特に外資系では、人事異動や中途採用で人が忙しく入れ替わります。
そのたびに、組織や担当者のプロセス、責任範囲も変更されます。
この時、
新しい仲間に評価され、信頼を勝ち得るには、責任の範囲をより広げてみましょう。
多くの責任を担いながら、一緒に仕事を完遂できる優秀な人材。
責任範囲をどんどん広げ、有能さをアピールできる人材が求められてます。
ただしこれは、有言実行が前提です。
言うだけ言って責任を取れない、解決法を見出せない。
最終的に謝罪すれば許されると思っている。
このような対応では、仕事と感情を割り切れていない人物として、信頼を失ってしまうでしょう。
申し訳ないというのは個人的な感情です。
その仕事・その間違いが自分の責任かどうか、という判断はまったくの別次元。
個人的な感情やチームとしての思いやり、
相手や同僚の気持ちを慮った感情は、
まずは一旦横に置いてください。
謝ったり、同情を寄せたりする言葉は、問題を解決した後に発するもの。
ビジネスに感情を持ち込むのはNGです。
まずは自分で、できる限り対処するのが先決。
その後で、
「もっと色々できたかもしれない」
「他の解決方法ならもっとスムーズだった」
など、思うところがある場合は、すべてが終わった後で個人的に謝罪しましょう。
「今回の件は残念でした。私も自分の範囲で、
色々とできることがないか考えました。次回もぜひ一緒に頑張らせてください」
このように前向きなコメントができれば、素晴らしい仲間として歓迎されるはずです。
最後に、具体的な対処法の一例を見てみましょう。
- NG例「私の確認漏れです。ごめんなさい」
- OK例「私に非はないけれど、あなたと同じ船に乗っていると思っている」
このような言葉で、仲間として手を差し伸べてください。
前回お伝えした、書類作成支援の例を覚えていますでしょうか?
最終確認者ではないけれど、書類に不備があった、
というケースでは、下記のような対処がおすすめです。
「Although final confirmation is not our task, we could have helped by paying extra attention. For this case, why don’t I help you by re-doing the process, so that you do not waste time? I did the process on behalf of you last time, and we know how to fix the issue, so I can do it faster than you. 」
「最終確認は私の責務ではありませんが、私がちょっと注意すれば支援できた可能性があります。今回は、私がプロセスをやり直して、あなたの時間を無駄にしないようにしましょうか?一度やっているから、問題解決方法がわかるため、ご自身でやるよりも私がやり直した方が早いと思います」
この例文は、同情は示しているけれど、連帯責任でないことが明確です。
また、他人事ではなく自分事としてとらえ、歩み寄っています。
今回に限り支援を提案しているため、
毎回同じように責任を押し付けられる心配もありません。
このようにできる範囲で、一緒に問題を解決する姿勢を継続できると、
良い関係を築けます。