会話をしていて、映画の名台詞をさらっと取り入れられる人、
かっこいいなって思います。
言えないんですけど。
ビジネスの場で、映画に出てくるフレーズを使うのは場違いな気がするかもしれませんが、
プライベートの趣味や好み(映画が好き・ゲームが好き、といった)情報が、
さりげなく溢れる会話は、余程フォーマルな会議でない限り、実は好印象だったりします。
ビジネスで一番に考えるべきなのは、
自社の成長や顧客満足度アップ、サービスの拡充といった部分です。
ですが、その過程の中では、人と人との対話が欠かせません。
このとき、できるだけ自分の情報を開示しておくと、
相手も接触しやすくなるため、歓迎されます。
初対面の相手や商談の前など、ちょっと映画のセリフを出してみると、
「映画好き」「スターウォーズのファン」「マーベル作品が好み」といった情報をシェアできます。
興味関心が近い場合、そこから会話が弾む可能性があるため、
好きなことがあれば、ぜひシェアしてみてください。
私たち日本人の場合、先方からすると、
何を考えているのかよく分からない外国人です。
どんな文化、考えなのか、想像がつかない相手でも、
映画という世界共通の話を共有すれば、そこに話題が生まれます。
場が盛り上がるなら、どんな趣味の話でも良いのですが、
映画のセリフは「短く、的確に、印象的に」本質を伝える力があるため、よりおすすめです。
たとえば、何かを決断する際
「現実と向き合うか、それとも心地よい幻想に逃げるか」という状況では、
映画『マトリックス』に由来する「Red pill or Blue pill(レッドピルかブルーピルか)」
という表現が使われます。
- “We have to take the red pill and face the reality.”
- 「レッドピルを飲んで、現実に向き合うしかない」
この一言で、現実を直視する覚悟と、抱いている緊張感を一瞬で共有できます。
このように、まどろっこしい説明を省きつつ、
聞き手の思考を一気に深いところへ誘導する力を持つのが、人気映画のセリフの良い部分です。
誰かの「弱点」を指したいときに、使える映画表現もあります。
それが、スーパーマンを無力にする鉱石「Kryptonite(クリプトナイト)」に由来したフレーズで、
ビジネスにおいても有効に使える言葉です。
- “Micromanagement is his kryptonite.”
- 「細かい管理は彼の弱点なんだ」
ここをあえて「クリプトナイト」にすることで、
単に “weak point” と表すよりも鮮やかで記憶に残る言葉になります。
私がよく聞くセリフなのですが、この言葉が出てきた段階で、
ビジネスの「結果第一」的な雰囲気がすぐに伝わるセリフもあります。
これは、映画「ザ・エージェント(Jerry Maguire)」で、
トム・クルーズ演じるスポーツエージェントのジェリーの言葉です。
アメフト選手に電話をしながら、
オフィスで「Show me the money!(金を見せろ!)」と、
大声で叫ぶ象徴的なシーン。
この「Show me the money!(金を見せろ!)」を会話に織り込むと、
- “It’s a great idea, but can it show us the money?”
- 「いいアイデアだけど、本当に利益を生むのか?」
といったニュアンスを伝えられます。
このようなシビアで、ともすれば厳しい指摘を、長々と説明しなくてもいいのがメリットです。
ちょっと、生々しいんですけれど….。
ユーモラスな漢字で言えればOKですね。
共通理解として、ビジネスのシビアさという背景を伝えられる、というセリフの力は、
知っておくと便利です。
私はIT業界で働いていることもあり、
Facebook創業初期のスローガンである、
「Move fast and break things.(早く動いて、壊して学べ)」という言葉が、耳に残りました。
スピードと挑戦を重視するスタートアップ文化において、
失敗を恐れずに前進するマインドセットを簡潔に伝えつつ、
積極的に応援している気持ちが感じられる言葉です。
今回紹介した例のように、映画やカルチャー発のフレーズには、
単なる引用にとどまらない力があります。
複雑なビジネス状況や感情を、文化的な共通理解のもとで、瞬時に共有できる、
これは非常に強力な効果でもあります。
取り入れてみた結果、良い未来につながった、
という経験がある方も、多いのだと思います。
だからこそ、誰もが知る名作のセリフの活用が広がり、
時代を超えて使われ続けているのだと感じました。