同じような言動・行動が繰り返されて、終わりが見えない場面、
日本では「イタチごっこ」と表現します。
イタチごっこ状態は、会議中などで多く見受けられ、
1時間後、2時間後でも結論が出ないだろうなあ、という場面に遭遇するケースがあります。
先日、ちょっとそんな状況にはまってしまい、
あれ、この場面を英語ではどう表すんだろう?
と考えたとき、迷ってしまいました。
まず前提として、海外の人は当然「イタチごっこ」という言葉を知りません。
イタチは英語でweaselと言うらしいのですが、
イタチの英語訳を知っていたとしても「Playing weasel」などと伝えてみたところで、
何の話? となるのは目に見えています。
ちなみに「イタチごっこ」というのは、
江戸時代に流行した二人遊びが語源。
「イタチごっこネズミごっこ」と言いながら、
順番に手の甲を指でつまみ、重ねていくルールなのですが、終わりがない遊びであることから、
同じことを繰り返し結論が出ない様子を「イタチごっこ」と呼ぶようになったそうです。
他にも水掛け論、押し問答、千日手など、似たような表現がいろいろありますが、
どれも英語で伝えるのは難しいですよね。
そこで咄嗟に考えたのが、この言葉。
- That sounds like a game without an end
- それは終わりなき戦いだね
この場は、このフレーズで趣旨が伝わりました。
でも後から、本当はどう伝えるのが正解だったんだろう、と気になり、調べてみました。
日ごろからよく耳にする言葉の一つに、Vicious cycle(悪循環)があります。
ただ、Vicious cycleを使ってしまうと、
どんどん悪くなっていくイメージがあり、イタチごっこよりもシビアな響きになってしまいます。
That is endless(終わりがないなあ)という表現もありますが、
これは意見を言い合っているけれど、どちらも勝たず、終わりのない駆け引きが続く
……というイタチごっこのニュアンスではなく、やってもやってもキリがない、
といった場面の方が適しています。
そこで辞書を引いてみたところ、「cat-and-mouse game」という英語表現が出てきました。
これは「猫がネズミを追い詰める → ネズミが逃げる → また追い詰める」
という繰り返しが語源になっている言葉です。
イタチごっこと同じく
「どちらかが完全に勝つわけではなく、終わりのない駆け引き・追いかけっこ」
を表す言葉らしいのですが……ただ、長年海外相手にビジネスをしているのに、
一度も聞いたことがないんですよね。
聞いたことのない言葉を使って、相手に理解してもらえない、となっては困ります。
そこで考えたのが「モグラ叩き」のアイデアです。
イタチごっこになったタイミングで、
We call this situation “Whac-A-Mole” in Japan.(日本ではこの状況をモグラ叩きと呼んでいます)
言いながら、モグラ叩きの写真を送ってみました。
結果、相手から笑い声が返ってきたので、OKな選択だったと思います。
このように、頭に思い描いた言葉が、英語では通じない、
という場合は、翻訳をするよりも、意図・イメージを共有した方がうまくいくケースがあります。
とはいえ、いつも上手い言葉が思い浮かぶ訳ではありません。
ここでAIが「ユーモアも差し入れながら活躍してくれたら」、
もっと楽しく英語圏の人と意思疎通ができそうだなあ、
と感じたできごとでした。


