日本ではよく、「私ごとですが……」と前置きをした会話が聞かれます。
このような日本語の文化的背景が強く反映された表現ほど、
英語に置き変えるのが難しいものです。
会議の欠席連絡をする際など、
「私ごとですが、野暮用があって……」と
英語でも伝えられれば便利です。
個人的な用事があるのだと歓談し、
相手は深追いせず、納得するでしょう。
では、英語でどう表現するのか。
以前、
- I have a private matter that I have to manage
と言っている日本人の方がいらっしゃいましたが、
他では見たことがありません。
近い言葉はないか、考えてみた結果、
もっとも似た表現はこれかなぁと思いました。
- I have a personal commitment.
個人的な用事があります。
シンプルに、これだけです。
「申し訳ないのですが」も言わず、個人的な用事が何なのかも、説明しません。
このフレーズであれば、実際に使っている方がいますし、
意味も伝わります。
ですが……よくよく話を聞いてみると、
ちょっと捉え方は日本人と大きく違うようです。
日本人は「commitmentコミットメント」と言われると、
大きな使命を抱えているのでは、
そう考えてしまいます。
ですが、海外では仕事とプライベート、
両方を同じくらい大切にするため、
「えええ???」「そんなことで!?」と思うような、
個人的な用事がコミットメントだったりします。
「大事な仕事の局面を迎えていて、親の死に目に会えなかった」
そんな場面がみられる日本のロジックとは、
ずいぶん違うようです。
私事で欠席することに、躊躇いを感じずに
どうどうとすることも大切なのかもしれません。