先日、
“This is to appraise you that we are working on an opportunity for Q1 closure.”
というメッセージが届き、「なんじゃそりゃ?」と混乱しました。
Appraiseという単語は聞いたことがなかったため、
どういう意図で送られた文章なんだろう、と調べてみたところ、
「査定する」「評価する」価値を判断する」「評価を下す」という意味があるよう。
これをさっきの文章にあてはめてみると……。
“This is to appraise you…” というフレーズは、
「あなたを査定します」「あなたを評価します」「あなたを称えます」といったニュアンスになります。
ビジネスの文脈で使われる場合、
「昇進査定」や「業績評価」といった意味合いを持つ場合もありそうです。
しかし、全体にあてはめてみると、
「これは、あなたを査定(評価)するためのものです。
我々がQ1の案件に取り組んでいることについて」
いや、やっぱりおかしいです。
だって、このメッセージを送ってきた相手は、
私の同僚で、査定されるような関係ではないんです。
ここまで考えて、
「もしかすると、これは“appraise” と “apprise” を間違えたのでは?」
という結論にいたりました。
“apprise” であれば「知らせる」「通知する」という意味になります。
“This is to apprise you that…”
すなわち、「これをもってお知らせします」という意味になり、
文法的には正しい英語になります。
ただ……実際の場面では、appriseもあまり使いません。
フォーマルな単語のため、かしこまり過ぎてしまう感じがあり、
もう少しやわらかい表現が好まれます。
インド英語では “request you to…” などでしょうか。
英語圏では、やや命令調の英語表現が多くあります。
これらの言葉を使わず、ていねいに伝えようと考えた結果、逆にこうなってしまったんでしょうね。
あまりひねらず普通に、
“This is to inform you that we are working on an opportunity for Q3 closure.”
と書いてもらえたら、すぐに理解できたのですが。
ちなみに、このメールの送り主。会社内の他の人にも、
同じ内容のメッセージを何度も送っています。
読んだ側は全員が「ああああっ」となり、
解読に悩み、最終的に「appriseの間違いか?」に辿り着くと思うのですが、訂正はされず。
今日も彼は元気に、あちらこちらへ「査定宣言」を続けています。
最近の私は、頭の中で勝手に、日常的によく使う「Praise(褒め称える)」に自動変換。
メッセージが届くたびに、
「今日も我を褒め称えるか。褒め称えよ!」
そんな馬鹿なことを考えながら、微笑みつつ、仕事をしています。
ある日、誰かが「査定宣言」を指摘したら、
彼はどんな反応を示すのでしょうか。ちょっと気になるところですが、
面白いのでこのままでいて欲しい、と思う私もいます。