「Setting the right expectation」は、適切な期待値の設定のことです。
お客さまの期待値、販売会社さまの期待値、上司の期待値、部下の期待値、全ての期待値にコントロールが可能であり、仕事の真髄ともいえます。
日本の企業では、”普通”や”想定内”というものが共通理解としておおよそ決まっています。見積もり依頼を出したら何日かかるであろうとか、メールを送ったら返信があるというのが普通です。依頼や連絡に対して返事がないなんてことは”想定外”になります。日本ではこういう状況になった場合、非常識だと捉えられます。
ところが、海外ではこの日本の”普通”や”想定内”が通らないこともあります。担当者が長期の休暇をとっており、メールに対する返信が1ヶ月ほど先になるといったケースも充分起こりうることです。日本であれば、別の人間が対応するため、担当者が休暇になったくらいで仕事が滞ることなんて普通は考えられませんよね?しかし、役職や部署ではなく、個々・個人が遂行している外資系企業ではよくある話なのです。
また、日本にはお客さまに迷惑をかけないという暗黙の了解があります。ですが、何が迷惑にあたるのかは国、個人、企業によって大きく認識が変わってきます。業務自体は止まっていないから問題ない、家庭の都合が優先される、解決した場合に謝る必要はないなど、日本の常識とは違う点がいくつもあります。
海外の人と仕事するにあたって最も大切なのは、事前に期待値をコントロールしておくことです。
いつまでに完了するかをお客さまに報告し、そのためにいつまでに完了させないといけないのかを社内に報告する、このように双方の期待値を正しく設定することで想定外の状況を防ぐことができます。
異文化の中にいると、今までの常識が非常識になることは良くあります。常識、想定外の人たちの橋渡し役になっているということを意識しながら働くことが大切です。
期限、仕事量や質、優先順位などの観点において、双方の”想定”という期待値を正しく設定しておくことで、スムースに仕事が進められますので、ぜひ試してみてくださいね。