とある映画を見ていた時、
主人公が突然、解雇を言い渡されるシーンがありました。
解雇されるだけでなく、
その日のうちにIDカードを奪われ、
アクセス権を喪失する、という場面です。
あまりに唐突すぎて、映画の演出だと思ってしまいがちですが、
実は外資系企業に就職したあと、
このような場面をなんどか見かけました。
日本では法律で禁じられている、突然の解雇。
なぜ海外では、このような事例が許されているのでしょうか?
日本はもちろん、
通常は海外であっても、会社へ退職の意思を伝えてから、
1ヶ月程度は引き継ぎなどで出勤します。
残りを有給休暇などに充てるケースもありますが、
確認したいことがあればいつでも連絡を取れる状態です。
退社理由が、営業未達成による会社からの通告解雇、
という場合も、基本的には双方合意に努めます。
急な解雇は人事・法律上、会社の経営、すべてにおいて不利益のため、
めったに実施されません。
このように、海外であっても一般的にはありえない突然の解雇。
それを言い渡されるケースは主に、
その人物が企業にとって「危険」だと判断された時です。
競合他社への転職が決まった
- →データ流出を防ぐためアクセス権を剥奪
重大な職務規定違反があった
- →懲罰としての懲戒免職であり、当該重大事項ゆえに即時執行など、
解雇者=あなたは危ない人物である、敵である、違反者である
という判断がなされた場合、突然の解雇が発生します。
ここを理解すると、私が見た映画の場面も、
「主人公が解雇されて怒っている」
「主人公が解雇されて突然路頭に迷った」
というだけはなく、
「会社から危険というレッテルを貼られた」=「濡れ衣を着せられた」
というシーンに変わってきます。
彼はただ怒りを感じているのではなく、自分に対する寝耳に水の嫌疑について、
怒りに震えていたのです。
皆さまも今後、海外映画をみていて、即時解雇されるようなシーンがあれば、
その人は危険人物だと捉えられている、
そして場合によっては、濡れ衣の可能性がある、
そんな想像をしながら続きを視聴してみてください。
背景を知ることで、その後のシーンを今まで以上に理解できるかもしれません。