アメリカ人から習ったプレゼンテーションの作り方をご紹介しました。
「理想」「現状」「解決案」の3枚があれば良いというもの、
ない方が歓迎されるほとでした。
ところで、
さらに面白かったのは、ポルトガルの企業です。
私は現在、ポルトガルの企業で勤務しているのですが、ここでは期待値が日本よりも高くなります。
何ごとも形式を大切にする「形式重視の文化である」ため、
ポルトガルのプレゼンでは背景や経緯、大きな将来ビジョンまで、
過去と未来をみっちり書いた上で、解決策を書くのが望ましいとされているそうです。
確かに、
そのため、ちょっとした施策を講じるだけでも、
分厚いドキュメントが回覧されます。
ポルトガル人に聞いてみたところ、
- 「背景やビジョンがちゃんと書き込まれているほど、きちんと考えられている」
と、評価が上がるそうです。
なのですが……
ポルトガルのプレゼン資料をよく分析してみると、
実は流れがアメリカと似ていて、肝心の途中が切れています。
日本のプレゼンのような流れはなく、
せっかく背景や環境の分析ができているのに、ゴールへつながっていないのです。
背景が説明されていても、その解決策として、
継ぎはぎの思いつき理論が提示されている場合も少なくありません。
背景も履歴もないアメリカ流よりは、ポルトガル式の方が気持ちわかりやすいですが、
解決策があまりにもあっさりしているため、「本当にこれで大丈夫?」とよく不安を抱えています。
こういうものは、何を持って良しとするかは、文化、状況、人それぞれですので
一概には言えません。
ですが、
「日本人はプロセス好き」
と言われますが、
このようなプレゼンの場面で、国民性が出るのかもしれないなあと感じたできごとでした。