海外相手に仕事をしていると、
「IT部門とシステムの問題修復の依頼をする」
「IT関連の打ち合わせがある」
という場面が少なくありません。
特に、社内ITチームとのやりとりは、ただでさえ分かりづらい情報機器の問題。
ネットワークや設定など、意思の疎通が難しく、英語のメールで進めるのは困難です。
実際にやりとりしてもて、メール3往復しても解決しない場合。
電話でオンラインなど、リアルタイムで進める方が遥かに効率的です。
積極的に、
「メールでは埒が明かないからリモートでやってくれない?」
という依頼をするべきですし、こちらからお願いしてもまったく問題がない事例です。
事実、メールでは会話が成立しなくて、イライラ……。
そんな様子も、多く目にしてきました。
次に紹介するのは、同じように怒りの感情を抱えた、シンガポールの社員のメール例です。
リモート作業をITチームへ提案しているのですが、この中身が強烈!
日本人が同じトーンでやりとりするのが得策かどうかは別にして、
人の怒ったメールを読む機会は滅多なく、勉強になりました。
「I also already tried the solution to access the file from the VPN network. It does not work. The time spend troubleshooting this is just too much. I am not a technical guy. I am a business guy. Appreciate someone can perform a remote access and help resolve this soon. Too much valuable man-hour is wasted on non business objective. It is more costly for me to keep trying it. Thanks.」
VPN経由でファイルにアクセするという解決方法は既に試しました。それもうまくいきません。この件についてあまりに時間を費やしました。私は技術者ではありません。ビジネス側の社員です。どなたかリモートで支援を早急にお願いします。ビジネス目的以外のことに時間をあまりにも費やしました。これ以上私が自分で頑張りつづけるのはコストがかかりすぎます。ありがとうございます。
この文章は、怒っているメールの参考例として、学べる部分が多数あります。
怒っていることは伝えつつ、
以下2つのポイントを押さえている点に注目してみてください。
①あなたが悪い・私が悪いという問題ではなく、問題解決を急いで欲しい、
という訴え方をしていること。
②解決策を試したけれど、上手くいかなかったので時間がもったいなかった、
ということに焦点を当てていること。
つい、
「私の知識がなくて申し訳ないのですが」
といった言葉で、お詫びをしてしまったり、相手の対応を非難してしまったりしがちです。
ですが、この例のように、
「時間がかかりすぎていてもったいない」
「自分はテクニカルではないのでわからない」
という部分を強い口調で訴えるにとどめ、対応の良し悪しには触れないのが正解!
これなら、受け取った側の気分を害することなく、次のステップへ進めます。
- 指摘するところは、強く指摘する。
- 指摘するべきは問題のみ。
- 「自分」や「相手」への批判へ持っていかない。
この3点を最低限のルールとして意識すると、
相手との関係を良好に保った上で、怒っている文面のメールを送信できます。
IT関連だけでなく、幅広く応用できるテクニックですので、ぜひ取り入れてみてください。