御礼からはじめるメールは誤解されやすい

ちょっとしたコツ

日本語メールの書き出しに、御礼から始まる形式があります。

「まいどお世話になります」
「平素より大変お世話になっております。」

この感覚が残っているせいか、英語メールであっても御礼から書き出す例を、時折見かけます。

具体的には、

「Thank you for your business.」
「Thank you for helping solve this issue.」

といった文章です。

これらのメールを見かけるたびに、
「大丈夫かなぁ」
と、心配になります。

そして案の定、送り主から相談が入ります。
「山口さん、先方から返事が来ません。どうしましょう」と。
そうなる未来は見えていたのですが……。

海外相手にThank youで始まるメールを送った場合、
「内容は見ていないけれど、おそらく問題解決して終わったに違いない」
こんな風に解釈される可能性が80%だと、体感しています。

このままでは未開封のまま終わってしまいますので、
「先日出した、メールタイトル◯◯◯◯というメールのお返事をいただけますか?
 お聞きしたいのは〇〇についてです。」
  May I have your reply to the email I sent last day with the email title xxxxxx?
    It is about xxxx.
といった形で内容を要約した、二行くらいの短いフォローアップのメールを送ってみてはとアドバイスします。

実際にメールを送ってみると、きちんと返事が返ってくるケースがほとんどです。
中には正直に、
「Thank youって書いてあるから解決済みなのかと思って、返信は不要なのかと思ったわ」
という人もいます。
御礼を入れたがために、ビジネスが滞ってしまった典型的な例です。

実践されている方は、省いてみるとコミュニケーションが円滑になるかもしれません。

同じことが、メールの締めくくりにも言えます。

・Thank you for all your help.
・Your support to help this issue is very much appreciated.

などの文章を入れてしまうと、
「あれ? 色々書いてあるけど、もう良いのかな」
といった勘違いを起こしやすくなります。

文末は、

Looking forward to hearing from you and the detailed explanation.
もしくは、
 Please advise

など、「継続している=待っている」ことが分かる文章で締めるのをお勧めします。

仕事への御礼や感謝は、すべて終わった時で構いません。
最後に時間をかけて、ていねいに伝えればそれで良いのです。
依頼や相談についでに、御礼の気持ちを示してしまうと誤解を呼びます。
御礼は御礼、依頼は依頼。

海外向けのメールは一通ごとに意図を分けて、短い文章で伝えると、
相手から的確な返信を受け取れます。

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