同じ部署でも他人事?

例文・トピックス

日本では、部下の間違いや不祥事は上司の責任、という考えが浸透しています。
また部下は、上司の意図・発言に沿った動きが求められます。
当たり前の習慣ですが、外資系企業に入るとニュアンスががらりと変わります。

外資系では、部下の間違いや不祥事があった時、
このような態度が上司に求められます。

・どのようにして、部下に正しく責任をとらせるのか
・部下に正しく反省をうながせるのか

・この失敗を機に、部下をどう成長させられるのか

上司には、部下を成長させたり、困ったときにアドバイスしたり、
といった責務はありますが、
責任の所在はあくまでも部下。
部下の間違いが上司の問題になる、という考えはありません。

英語に「Accountability」という言葉があります。
日本語に訳すと、説明責任です。
外資系では、部下が起こした問題の「Acccountability」は部下自身に。
そのような部下を管理・指導する責任が、上司の「Accountability」です。

これを覚えておかないと、問題が起きた際の対応を間違えてしまいます。

一例ですが、

「担当者では埒があかないから、上司である責任者に上申した。
なのに担当者は変更してもらえない。
多少対応が変わったけど問題が解決しない」

という場面を目にすることがあります。
これは、「Accountability」の訴え方が違うからです。

「担当者がダメなので担当者を外してほしい」
「担当者がとっている対処そのものを変えてもらいたい」
という場合、その「要求」を上司に向け、直接話し合いをするべきです。

そのような要求を上げずに、担当者の問題を指摘しただけの場合、
上司はその「問題」について、担当者の「Accountability」 を追求します。
上司として、どうしたら担当者が「問題」をうまく解決できるのか、
という部分に尽力するでしょう。

その結果、訴えた側は、
「多少対応が変わったものの、問題解決できない」
という不満を抱えてしまうのです。

ところで、上司に直接、担当変更を申し出るというこのケース。
日本では、担当者がダメだと言ってしまっては、
波風立つのではないか、と不安になります。

しかし、「担当者」と話し合うのか、
「上司である責任者」と話し合うのか、という選択であって、
外資系では気に留めるほどの問題ではありません。

担当者からすると、楽しい場面ではないですが、
「自分のレベルではなく、責任者レベルで話がしたいんだ」
と感じるだけです。

もしかしたら、うまくいかない相手を前に、
「自分が担当から外れて良かった」
そんな風に思っているかも知れません。

外資系では、一人一人が自立したビジネスパーソン。
個々が「Accountability」を求められるビジネス環境だと意識しましょう。
自分の意見を通したい場合は、誰と何を話し合うべきなのか。
一つひとつ考えながらやり取りすると、仕事を効率よく進められます。

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