仕事の品質を決めるのは自分ではなく相手

考察

日本でビジネスをしていると、「高品質」という言葉を多く耳にします。

品質の高い資料作成、製造する商品やサービスの質など、
幅広い場面で質の高さが求められるでしょう。

品質は高い方が良い、それは世界共通です。

その一方で、外資系ではたらく場合、
高品質にこだわりすぎて、トラブルになるケースが少なくありません。

日本の製品は高品質、日本人は真面目で慎重だから質が高い。

そんな暗黙の了解があること、
日本人への信頼感を感じる場面が多いことから、
つい仕事の品質にこだわってしまいがちです。

ですが、日本で求められる品質と、
外資系で求められる品質には大きな差があります。

日本人同士のビジネスであれば、お互いの期待値を想像できます。
想像しなくても理解でき、期待されている品質で応えることも可能です。

ですが、外資系にはこのような「暗黙の了解」はありません。

日本人ならこう考える、という想像が間違っていたり、
すれ違ったりする例が多く、注意が必要です。

日本人同士が「暗黙の了解」というスキルを使えるのは、
義務教育で同じような教材を使い、同じような授業を受け、
同じような価値観を共有してきたからです。

ところがアメリカでは、州ごとや学校ごとに習う項目や内容が異なります。
欧州では、国によって教える歴史観や解釈が違ってきます。
移民の多いオーストラリアやシンガポールでは、さまざまな異文化が混在しています。

このような国で育った相手へ、日本の常識は通用しません。
外資系では、相手によって品質への期待感が違うこと。
ここを覚えておかないと、
仕事仲間や取引先に悪印象を与えてしまう場合があります。

仮に明日が期日と言われた場合、
明日の朝までなのか、
明日のビジネスが終わる時なのか、といった部分でも、人によって解釈が違います。

期日も、仕事や商品、サービスの質も、
求められる品質はすべて相手によって決定されるのです。

それを知らずに、

  • 「求められていない品質を追って、無駄に時間や労力をかけてしまった」
  • 「相手へ理解を求める前に、一方的に品質を追い求め、ひんしゅくを買ってしまった」

というケースが多く見られます。

外資系で仕事をするなら、
相手がこちらの思うとおりに動かないのは前提条件。

日本の常識はいったん置いて、相手がどのような品質を求めているのか、
直接聞いたり、行動をみながら考えたりする習慣をつけると、良いチームワークにつながります。