前々回に掲載した「評価を下げる「報連相」の言葉選び」という記事にのせましたが
「報連相」は受け身ではいけません。
とはいえ、必ずしも次どうするか自分で毎回判断できるわけでもないので、
ビジネスをしていると、上司に判断を仰ぐ場面が、かならず出てきます。
正しく指示を仰げる人は、「仕事ができる人」の重要な資質でもあります。
このとき、注意したいのが、上司へどのような言葉で指示を仰ぐのか、です。
選ぶ言葉によっては、質問者の能力が低く見えてしまう可能性があり、注意したい部分です。
上司からの評価が下がってしまう聞き方は、以下のような質問です。
- 「いかがいたしましょうか?」
- 「どうしたら良いでしょうか?」
- 「先に進めても良いでしょうか?」
どれも、丁寧な聞き方ではありますが、なぜ上司から好まれないのでしょうか?
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「ただ聞くだけ」は“もったいない”
上司の立場からすると、先ほどの指示の仰ぎ方は、能力が足りていない印象になります。
質問する、ということは、ビジネスの「問題点」や「懸念」に気づいているはずです。
しかし、「いかがいたしましょうか?」だけでは、質問者が問題や懸念にたいして、
どのように考慮したのか、判断したのか、といった点がみえてきません。
指示を仰ぐという行為は本来、
- 「状況を理解し、判断が必要な要素があると察している」
という優秀さの証です。
優秀な人材の質問には、要点をまとめた状況説明と、
どの事由について判断が必要なのかが含まれています。
ところが、「ただ聞くだけ」で終わってしまう場合、
- どの部分にリスクがあると捉えているのか
- リスクや問題にたいしてどのような選択肢を考えたのか
- どこまでが自分で判断した範囲で、どこから上司の判断を仰いでいるのか
といった部分が伝わらず、上司へ「全部丸投げ」している、という風に捉えられてしまうのです。
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“仕事ができる聞き方”に変わる! 3つの質問例
仕事ができる人は、質問時に「提案+判断の根拠+リスクの扱い」を言葉に含めています。
上司は、質問者にかならずしも「正解」を求めているわけではありません。
「提案+判断の根拠+リスクの扱い」を参考に、質問者の視点や分析、思考プロセスを読み解き、
- 「君の提案で良いよ」
- 「一つ追加するとすれば○○だけ」
といった“上司にしか出せないアドバイス“が可能になります。
次に、仕事ができる人が取り入れている、3つの質問例をみてみましょう。
模範質問例1:もっとも基本の形
「〇〇という状況なので、対処案としては◻︎◻︎が良いかと思います。
△△の懸念はありますが、発生率と影響は低いと判断しています。
進めてもよろしいでしょうか?」
模範質問例2:オプション提示型(選択肢が必要な場合)
「状況を踏まえると、A案とB案のどちらも可能です。
しかし、コストと時間を検討する場合は、A案が効率的です。
安全性はB案の方が高いのですが、納期は1日遅れます。
どちらを優先すべきか、ご判断いただけますでしょうか?」
模範質問例3:最終責任区分まで明示
「本件、このまま進める場合は、私の判断範囲内と考えています。
ですがもし、大口顧客側の反応が悪い場合は、追加承認が必要になります。
その点のみご確認いただけますと幸いです。」
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伝えるべきは「考えた」という姿勢
上司への正しい聞き方のゴールは、“上司に判断を丸投げしないこと”ではありません。
ゴールの本質は“自分自身では得られない有益な情報を、上司から引き出すこと”にあります。
英語で言えば
「Alright. Go ahead.」
もしくは
「There is one more element you may have missed, that is…」
という言葉を引き出せる状態です。
対話を通じて、上司の頭の中にある“あなたが知らない情報”が出てきた時はじめて、
質問に割いた時間の「価値」が生まれます。
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終わりに:質問は“自分自身の成長機会”
指示を仰ぐ=仕事ができない証、質問者の弱さの証、だと
勘違いしている人がときどきいるのですが、実際は違います。
質の高い“問い”ができていれば、上司は質問者の伸びしろを評価し、
より良い結果になるように喜んで導きます。
どのような問いをするのかが、自分自身の伸びしろを映し出す鏡だと捉えて、
安易に「いかがいたしましょうか?」と質問するのは避けましょう。
相談や質問をする前に、一度立ち止まって、
- 「自分は何を理解しているのか」
- 「どこが不確実、どう判断しようとしているのか」
という点を考え、1行でまとめて聞いてみてください。
質の高い一行をつねに意識して、
上司からの信頼や社内での存在感が高まる未来へつなげていきましょう。