バックオフィスが受け取る御礼の意味

例文・トピックス

仕事中、社内の人からお土産を渡された。
誰もが経験ある、嬉しい場面だと思います。

バブル期に入社した私の先輩は、出張のたびに。
時には出張でなくても、ちょっとしたお土産を買ってきてくれました。
その理由が、今でも心に残っています。

  「自分達は外に出て自由に働けるけれど、
   バックオフィスの人は毎日会社に来て、毎日仕事をしてくれている」

  「そういう人たちにとって、お土産は、ちょっとした変化やイベントなんだ。
   つまり、感謝の言葉や贈り物というのは、
   想像を超えた以上の大きな意味を持つんだよ」

  「簡単なことだからこそ、惜しみなくするべきだ」

こんな風に、外出先でいつも自分たちのことを考えていてくれる、
その余裕にまず感動しました。
この先輩は、成功を祝う時もバックオフィスの貢献を思い出し、
感謝の言葉で表してくれます。

先輩にとっては小さな心配りかもしれませんが、
私たちの心には大きな優しさが届きました。

一方で、
  「やるべき当たり前の仕事をしてくれただけだ」
  「もっとたくさん助けてくれても良いはずだ」
  「別に無理難題を押し付けたわけでもないし」

そんな風に考え、お礼を言わないフロントオフィスの人間もいます。

しかし、このような考えでいて、良いのでしょうか?

この人たちはおそらく、
  「そこの資料とってくれない?あ、ありがとう」
といった風に、離れたところにある資料をとって手渡しただけの人には、
きちんとお礼を述べているはずです。
にもかかわらず、
業務を支援してくれた人にお礼を言わないのは、違うように感じます。

たしかにバックオフィスの仕事は、当たり前にする仕事です。
お互い仕事で大変ですから、
気遣いは不要だと感じるのも、分からなくはありません。
もしかしたら、
  「お礼を言わないのは省エネ」
こんな風に思っている人も、いるかもしれません。
ですが仕事でも、家庭でも、友人関係でも、
お礼を言われて嫌な人はいません。

何十人、何十件の仕事を処理するバックオフィスに、
お礼を言う人と
お礼を言わない人。

2種類のフロントオフィス職がいたら、
どちらを心地よいと思うでしょうか?

素敵な人。
一緒に仕事をして楽しい人。

そう思われる人間の方が、結果的に得するものです。

お礼を言うエネルギーを省力化したり、当然の仕事だからとお礼を言わなかったり。
このような人をみかけると、もったいないなあと感じます。

御礼や感謝の気持ち、お土産は、相手へ届けるだけで、
幸せに満ちた空気を身にまとえる、まるで魔法の言葉です。

フロントオフィスの方は、ぜひ自分のためにも、
バックオフィスへの感謝をはじめてみてください。
毎回お土産を買わなくても、
一言「ありがとう」を伝えるだけで、周囲の態度が変わるはずです。

バックオフィスは単調な仕事です。
だからこそ、その空間で温もりや爽やかな交流を与えられる人が、大事にされます。
簡単な一言だからこそ、「ありがとう」すらいえない人は、がっかりされている。

この事実も、合わせて覚えておきましょう。