会議や打ち合わせの予定が、直前になって変更…
…そんな場面、よくありますよね。
日本でもよくみかける事例ですが、
海外相手の場合は、もっと変更の機会が多くなります。
日本人は、「会議の約束をした時間」に重要性や必要性を感じます。
そのため、他の予定が入った場合も、
会議に影響が出ないように、日程・スケジュールを調整して、
できる限り参加できるように工面します。
ところが、海外のビジネスマンは、どうやら同じようには捉えてくれないようです。
会議だと伝えていても、
ちょっと廊下で話す程度、通常の打ち合わせの延長上、そんな気持ちがあるようで、
変更の依頼がしょっちゅう入ります。
私も、はじめは日本の会議に慣れていたため、
毎回毎回のスケジュール変更になじめませんでした。
相手の都合を考えず、自分が忙しいからと、
かんたんに予定を変えてしまうなんて…
…と呆れていた時期もあります。
そんな中で、「とてもいいな」と感じたのが、日程変更へのお礼です。
予定を変えてもらって当たり前、ではなく、
こちらのスケジュール調整に対して、
「Thank you for your flexibility」
(日程を合わせてくれてありがとう)
この一言を添えてくれるだけで、「大丈夫、気にしないで」という気分になれると気付きました。
「Thank you for accommodating your time to re-arrange the meeting」
のように、長々と文章にしない点もスマートで好感が持てます。
「Thank you for your flexibility」
には、スマートさ以外にも、感心すべき点が他にもあります。
相手の方は意識していないと思うんですが、
“You” を主語にしてお礼を述べているんですね。
海外で注意・討議するときは、
対象者を主語にするのではなく、
問題を主体にして発言しようという指導があります。
You are wrongではなくてThat is wrongを選ぶような例です。
しかしお礼の場合は、
Thank you for re-arranging the timeではなく
Thank you for your flexibitiyにすることで
「会議の予定を合わせてくれたことだけ」に感謝するのではなく、
「相手の柔軟な態度に感謝する」という意味になります。
実際に聞き比べてみると分かるのですが、
「Thank you for your flexibility」
の方が、だんぜん感謝された気持ちになります。
スケジュール調整を相手へお願いするケースがあれば、
ぜひ相手へ使ってみてください。