英語文化では、「お礼」がとても大事にされています。
そのため、
「Thank youだけしか使えない」
「いつもThank youを多用している」
という状態では、本当に感謝したい時に、きちんと気持ちを表せません。
日本でも、お礼の言葉は場面に合わせて、使い分けますよね。
このように海外でも、Thank youだけでは、想いが正しく伝わらないのです。
お礼の表現は、自分のキャラクターや、その場の雰囲気、今後などを考えて、選びましょう。
英語圏で出世している⼈を見ていると、お礼を伝えるのが非常に上手です。
タイミングやユーモアもさることながら、印象に残る言葉を使用しています。
一工夫したお礼ができるようになれば、相手のリアクションが嬉しいものに変わっていきます。
お礼上手になるために、覚えておきたい4つのポイントを、チェックしてみましょう。
「お礼する時の4つのポイント」
・ポイント1 ”I” と”It”をやめる
“I” や “it” を乱用するのは、避けましょう。
“I”の乱用は自意識過剰に聞こえます。
私が、私が、と何度も繰り返すフレーズは、聞きづらく、読みづらいものです。
“I”をよく使う癖がある人は、思い切ってやめましょう。
避けるためには、You もしくは無生物主語を使う、省略する、といった方法が簡単です。
・ポイント2 単独で
連絡メールの冒頭や最後尾に、長々とお礼を書いている文章、見たことがありませんか?「前回の御礼を覚えているよ」
というジェスチャーなのでしょうが、長い文章を読まなければ本文に辿り着けず、相手にとっては迷惑なだけです。
仕事のメールは簡潔に、が基本。
仕事関係のメールで、ついでにお礼をしてしまっては、失礼にもなります。
本当に感謝を示したいなら、御礼メールは、その目的のためだけに送付しましょう。
お礼のために一手間取り、ちゃんと送ったメールであれば、短い言葉や拙い言葉でも、相手の心へ届きます。
・ポイント3 具体的に
お礼をする時は、相手の良かったところを具体的に褒めましょう。
「どこが良かったのか」
「今までとどう違うのか」
「何がありがたかったのか」
分かりやすい言葉で、伝えるのがポイントです。
アメリカ人の家庭を観察していると、“子どもは褒めて育てる”という点が徹底されています。
良いことをしたタイミングで、どこがどう良かったのかを褒め、学ばせているのです。
このような環境で育っているからでしょう。
アメリカをはじめとした海外の人は、言葉だけの感謝よりも、具体的に何が良かったのかを伝えると、より喜んでくれます。
その他にも、仕事をしていると、相手が特に注意した部分や、気を使っている部分に気付くことがありますよね。
こんな風に、相手の努力や配慮が分かった時には、その部分を思いきり褒めてください。
「この人は私の工夫や努力を分かってくれた!」
と、嬉しい気持ちになり、感謝したのは自分にもかかわらず、こちらの好感度が上がっていきます。
・ポイント4 お詫びと混ぜない
「夜分に問い合わせをしてしまい、申し訳ありません。助かりました」
という文章。
日本語ではよく見かける言葉です。
しかし海外で使うのはお勧めしません。
お詫びと御礼が⼀緒になってしまうと、感謝の気持ちが薄れてしまうからです。
このような場合は、書き方を工夫しましょう。
「夜遅くにもかかわらず、嫌な顔せずに対応してくれて本当に助かった。
あなたはとても優しい人だ」
こう表現すれば、相手は自分の努力を認めてもらえた!と嬉しくなり、褒めてくれた人へ好感を持ちます。
また、このように書くと、語っている内容は「あなた」が主⼈公になっているため、相手に配慮した表現に聞こえる点も良いですね。
お詫びが必ずしもいけない訳ではありません。
ですが、海外では特に、
「お詫び=自分の過ちへの贖罪」
そう受け止められがちですので、注意しましょう。
「遅れてごめんなさい」
「何度も聞いてごめんなさい」
「英語が下手でごめんなさい」
このような言葉が重なると、相手はこちらに合わせ、
「問題ないよ」
「質問は何度してもいいよ」
「気にしてないよ」
嫌でも、こう言わざるを得ません。
時と場合によって、謝罪は必要ですが、こちら側の許してもらいたい、弁解したいという気持ちに付き合せてしまうのはNG!
先ほどの例であれば、
「遅れたのに快く待っていてくれてありがとう」
「何度も聞いてしまったのに、親切に教えてくれるなんて良い人だ」
「下手な英語に耳を傾けてくれて感謝している」
といった言葉に変換すれば、相手も嫌な気持ちになりません。
いつでも相手主体で、お礼や感謝を伝えられる人になりましょう。