いっそ、ぶつけてみる = 怒りたいけど失礼にはなりたくない

例文・トピックス

誰かへ問題を指摘する、怒るというのは大変です。

相手が同僚の場合は、
     「明日も明後日も、一緒に仕事をしなければいけない……」
という実情もあり、余計に気を使いますよね。

できるだけ、相手へ失礼にならないように。
相手の立場を考えるように、こう気遣い過ぎてしまっては、
端的な依頼ができません。
送ろうとしたメールがどんどん長文になり、
相手からの回答が本題からずれてしまう、
誤解を招いてしまう、
という可能性も増えてしまうでしょう。

短くズバッと指摘・要求することと、
相手を思いやって、柔らかく傷つかない言葉で話す、というのは
なかなか同時に成立しません。
日本語で考えても難しい文章ですから、英語で表現するのは無理だと心得ましょう。

ではどうしたら良いのか。

この場合は、「いっそ一度ぶつける」

その後で「釈明する」という手段が有効です。

意図的にやっている方を見かけますが、それでもOK !
フォローがちゃんとできていれば、まったく問題ありません。

実際の例をみてみましょう。

こちらが最初の「いっそぶつけてみたメール」
請求書問題でさまざまなやりとりをしていた営業が、いつまで経っても請求書が発行されず、
業を煮やして出したメールです。

「To be completely candid, I’m not really fussed about what our systems.  If there’s orders that need to be re-done, that’s one thing……but……All I know is that the resellers have not received their invoices and they need them ASAP. 」

(率直に言わせてもらえれば、別にシステムの問題に怒っているわけではない。もしも受注処理をやり直さないといけないなら、それもそういうものだろう。だけど、リセラーさんには請求書が来ていなくて、今すぐにそれが必要なんだ)

このメールを見た時、

「あー、怒ってるなあ。
 仲間内でのメールだから、
 罵倒はしないけど、
 文章の端々にイライラが感じられるなあ」

そんな風に思いながら、読んでいました。

それから1時間くらいが経過。
何度か内部でやりとりがあった後で、下記のメールが届きます。

「Thanks Charon – I just re-read my email and I hope it didn’t come across as harsh or rude.  That was not my intention.  I appreciate your follow-up on this, but just wanted to point out the missing invoice thing is the main concern. 」

(シャーロン、ありがとう。自分のメールを今読み返して、キツかったりヒドい感じに伝わっていないといいなぁと思ったんだ。そういう意味ではないから。君が助けてくれて感謝している。ただ、請求書がないっていうことが大元の問題なんだってことを指摘したかっただけなんだ)

この文章を見た時、素敵なリカバリーだと思いました。

相手への感謝を示しつつも、
自分が指摘している問題ははっきり述べる。
3文でこれだけのニュアンスと気持ちを込められるのは、さすがネイティブだなあと感じました。

このまま使うことはなくても、

     「Hope it did not come across as harsh or rude」
      (キツかったり、失礼に聞こえなかったりすれば良いのですが)

     「Just wanted to point out xxx is the main concern」
      (xxxが大元の問題であることを指摘したかっただけなんだ」

こういった表現なら、すぐに使えます。

言いたいことをぶつけながら、フォローしたい場合はぜひ活用ください。